「お正月だよ!ぐっさん家 東海3県ぐるっと!ふるさと大満喫SP」(東海テレビ・バラエティ)

  • 番組名:「お正月だよ!ぐっさん家 東海3県ぐるっと!ふるさと大満喫SP」
  • 放送局: 東海テレビ
  • 放送日時:2019年1月1日 午後0時~2時間番組

レギュラー放送は毎週土曜日午後6時30分からの30分番組。スタートして今年で16年になるという。視聴率も安定していて、このエリアを代表する「まちブラ情報番組の老舗」となった感がある。この手の番組の出来不出来はメインキャラクターの人柄に尽きる。ぐっさんこと山口智充は、俳優陣、バラエティから音楽界、もちろんお笑いの世界とその才能の豊かさからネットワークも広く、そして知識も広い。加えて人に嫌がられない真面目なキャラクターも持ち合わせ、機転も利く。こうした魅力たっぷりのぐっさんがいての16年だったような気がする。そのぐっさんが東海エリアの人々と触れ合いながら、郷土グルメや伝統などを紹介していく。かつて板東英二がCBCで築いたポジションに取って代わった感じだ。我が家でも土曜の夕方にはだいたいこの番組がかかっている。

そのお正月特番が元旦の正午からいつもの4倍の長さで放送された。愛知県と岐阜県巡りではロックボーカリストの大友康平とタレントのはるな愛をゲストに、熱田神宮から天ぷら屋~飛騨一宮水無神社を経て高山市内をぶらり。新酒の試飲や牛肉の寿司、五平餅などを楽しむ。また三重巡りでは芸人の田中直樹(ココリコ)と小川菜摘、ドラマの番宣がらみで松下由樹と伊勢シーパラダイスや伊勢神宮、鳥羽をぶらり。

行った場所や食べているものなどスタイルに珍しいものは無いが、2時間飽きること無く見切ってしまった。それはなんといっても前述のように、ぐっさんとゲストのいじりや、やりとり、一般の方との会話が多彩で飽きなかったことによるものだ。ぐっさんの、周りの人から何を聞き出すかのチカラが十分に生きていた。またぐっさんの人柄が素人も安心させるチカラを持っているのだろう。

それと裏方について触れておきたい。この番組はずっと思っていたのだが、カメラワークが上手い。エンドクレジットによればメインカメラは谷口氏と川瀬氏(両者とも東海テレビの関係者ではない)。おそらく肩に担ぐタイプのカメラを使っていると思うのだが、ずっと手持ち(箸あげシーンなどは異なるだろうが)の映像は安定し、アングルなども心地よい。ぐっさんの気の利いたセリフに直ちに反応しなくてはならないので、振り回し方も難しいだろうが、その当たりの画作りには職人芸を感じる。今やドローンやGoProといった飛び道具が画作りの範囲を広げていてそれはそれでありがたいことだが、「心地の良いタイミングで良い画を切り撮る」という作業はキャリアを積んだセンスと腕のいい職人でないと出来ない。こうした伝統も地元で受け継いで行って欲しいものだ。(KING)