「新説クリエィティブ委員会 ソレアルカモ!」(CBCテレビ・バラエティ)

  • 番組名:「新説クリエイティブ委員会 ソレアルカモ!」
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2019年1月31日(木曜日)24時59分~25時29分

年が改まってからCBCテレビが木曜の深夜に「チャンネル5.5」というバラエティ枠を作ったようだ。全作自局制作になるのかは分からないが、30分枠とはいえ、ローカル制作でのチャレンジングな枠の確保の姿勢はまず買っておきたい。

当該番組は、「多くの人が知らないテーマに対し、『ソレアルカモ!』と思わせる新説=新しい説を考えた人の勝利」とする「新しい形の知的遊戯である」と説明される。司会は山里亮太。視聴した回の回答者(もっともらしいことをさも本当のように説明する担当)に、お笑い芸人のカズレーサー、同じくお笑い芸人の”さらば青春の光”から森田哲矢、映画解説者の有村昆、の三人を据えた。それぞれの「新説」に対し、一番「もっともらしい」と思う回答者を選ぶのはスタジオに招かれた5人の老若男女だ。

この日の「新説」は「フライトジャケットMA-1の裏地はなぜオレンジ色か?」と「桃太郎の家来がイヌ、サル、キジなのは何故?」という2問に対し、3人の「こじつけの上手い回答者がいかにもっともらしいことを言うか」を競う。

ここで、気をつけなくてはならないのは、「本当のことを言う人を当てる」のではなく、「真実」はとりあえず置いておいて、「もっともらしい」ことを「一番上手く言っているのは誰か」「いかにホントのように嘘を言うか」、という手練手管の評価が番組の面白み、というのが狙いであることだ。

番組内容の説明だけで紙幅を消費してしまったが、視聴者の興味をどう引くか、という狙いは理解出来た。となると、各回答者の「もっともらしい新説」の中身が番組の面白みを左右する(ネタバラシの時の言い訳も含め)と思うのだが、この情報が溢れたネット社会で、「もっともらしさを構築する」のは難しい。逆に「ボケまくる」とか、そっちの方に勝負の焦点を置いたらどうだったんだろうか。「真実」を知っている人が「だましの上手さ」を楽しむということなら、「新説」のレベルはかなり高度なものが要求されるのではないか、その辺りの知的刺激を楽しませるというのが狙いだったのなら、この回のそれぞれの説明は要求されるレベルに達していたとは言い難い。徳川綱吉が家康の孫であるなどはすぐにバレる。

回答者が答える「新説」は番組の構成作家と若干回答者自身もアイデアを加えたように見える。CBCの完全自社制作ではなく、プロデューサーが出むき、制作現場そのものは東京のプロダクションが担当しているようだが、いささか考え落ち過ぎた感がある。繰り返しになるが、どうせなら「ボケ合戦」を評価するほうが面白くなったのではないか。「視聴者が何に対して面白がるか」という焦点がボケてしまったウラミが終始つきまとい楽しめなかった。笑いは畢竟、シンプルなところから生まれると思うのだが。(KING)