「サンドウィッチマンの深ボリ!障害者と家族・ヘルパーのホンネ(CBCテレビ・教養・情報)

  • 番組名:「サンドウィッチマンの深ボリ!障害者と家族・ヘルパーのホンネ」
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2019年2月2日土曜日 午後2時~午後2時54分

名古屋市提供の「障害者と健常者が共生できる社会づくり」を啓発する番組。どうしても重くなりがちなテーマを、視聴者をいかに引き込み、大切なテーマを(多少でも)読み取ってもらうか、が番組のキーになる。そうした点でこの番組は総体的にテーマの重さを減じる工夫に満ちた構成も良く、サンドウィッチマンのボケを含んだキャラもあいまって気持ちよく観ることが出来た。(彼らの東日本大震災などでの多く社会的活動を背景にした言葉や態度は決して軽くなかった)かつ、私自身、多くを気が付かされたし勉強になった。つまり、番組の企画意図は外れていなかったと言っていいだろう。今コミュニティで必要とされている「多様性」に対する「寛容・相互理解」の姿勢を伝える番組として、番組の最後にサンドウィッチマンがいみじくも指摘したいたように「全国ネットで放送すべき」出来の番組に仕上がっていた。

番組は大きく2つのパートに別れ、前半は、自分を表現することが苦手な「知的障害者」との触れ合い。後半は「視覚障害者」を訪ねる。また「ヘルパー」の実像にも迫る。またパートの分かれ目ごとに健常者が障害者について知っておいたほうがいいと思われる2~3の項目をクイズ形式で視聴者に問うたりもして情報的にもいい構成だった。

つまるところ、健常者はいかに障害者のこと(その程度や範囲も含め)を知らないか、ということなのだ。障害者の方々に対する勘違いや思い込みが多いか、ということなのだ。番組では私たちが「少しでも障害者のことを知る(理解する)」ことで、お互いの距離が大きく縮まると指摘する。まさしくそうだろう。1時間の特番で健常者と障害者の「共生」のことが全部語り尽くせるわけもなく、それをどう絞って、どう見せるか、そして先述のように番組を見た人に少しでも「気付き」のヒントが出せるか、というのが勝負ポイント。この番組は、出演していた障害者の方々や家族(みなさん明るく取材に対応されていたのが印象的でその姿も様々なことを私たちに訴えていたのも魅力的だった)、ヘルパーの方、そしてMCと、番組の重要な構成要素である「人選(キャスティング)」がとても上手かった上に、ナレーションの配分も良く、この手の番組としてはバランスの良い出来だったといえる。またこうした番組はいきおい、深夜や平日の午前中、また土日の夕方に追いやられる傾向があるのだが、土曜の午後2時という時間に編成した局の覚悟も垣間見ることが出来た。(KING)