「よゐこ濱口の2人乗りイイモノ探し旅」(テレビ愛知:バラエティ・紀行)

  • 番組名:「よゐこ濱口の2人乗りイイモノ探し旅」
  • 放送局:テレビ愛知
  • 放送日時:2019年2月16日(土曜)午後6時30分~59分

板東英二や照英、高井一アナはひたすら歩いた。CBC「花咲かタイムズ」ではお笑い女芸人の素人いじりで魅せている。出川哲朗は電気バイクを使って、ぐっさんはジープで、また或るは路線バス、或るは鉄道で、いわゆる「まちぶら」ものを作って来ている。今回のテレビ愛知制作の表題の特番は、旅人にお笑い芸人「よゐこ」の濱口を起用、ケレンとして二人乗り自転車を持ってきた。そう来たか、という感じだ。今回は篠島を、出会った人と二人乗りで目的地を目指すという仕掛け。二人乗りでないときは、押して歩かなくてはいけない。こうして島のイイモノを見つけようというものだ。それにしても、GoProとドローンの登場はこうした番組の作りを大きく変化させたとつくづく思う。

篠島で濱口が最初にであったのは浜辺に居た親子連れ。聞けば実家の親が海産物の仲買をやっているという。篠島で養殖がさかんな今が旬のワカメを見せてもらいに、知り合いの店へ子供を預けて出かける。道中、彼女から篠島の暮らしや学校生活など、島の情報を聞き出す。店ではワカメのしゃぶしゃぶなどを味わう。次に彼女の父親が勤務している仲買の会社に行き、タイラガイの貝柱に舌鼓を打つ。次にそのタイラガイを持ってお父さんと二人連れで、調理してくれる料亭に向かう。しかし、当てにした料亭は取材拒否。(今どき、新鮮で逆に良かった)次の店に向かい、タイラガイのバターソテーを味わう。店の娘と話し込んだり、この辺りの会話が番組の美味しいところだろう。次に濱口はスクーターのお母さんを止め、篠島の名所のひとつ「恋人の聖地」を訪ね、2人で鐘を鳴らす。さらに島の小学生を捕まえ、夕陽がキレイだという「キラキラ展望台」を目指す。見事美しい入日を観ることが出来た。以上が正味25分弱で綴られていく。濱口の「愛されキャラ」は合格点だと感じた。

やはりキーになるのは濱口が触れ合う島の人のキャラクターと会話の面白さだ。今回は素人さんのキャラが面白く、島という限定された情報に面白みが多く、また濱口の話の引き出し方(素人いじり)も、そこそこ上手く行っていたと感じた。だが、「まちぶら」番組が溢れる昨今、どこまでこの番組が他の番組と差別化できるか、が鍵。それは当然スタッフも分かっていることだろう。2人乗り自転車というアイデアの着想は良いが、田舎に行かないとなかなか走りづらいかも知れない。どこかパイロット版のニオイがする作りだが、レギュラー化を(単発特番としてでも)狙うなら、場所の選定と出会う人のキャラクター、出会う人のガードを如何にして下げるか、ホンネを引き出すかという濱口のトーク力がこの手の番組の常道としてしっかりしていないと、平均点はクリアできず観てもらえないのは必定。次作があるなら、せっかくのアイデアが活きるように、さらなるブラッシュアップを期待したい。しかし編成的に、東海テレビ「ぐっさん家」の真裏での放送はどうだったんだろう。(KING)