歴ドラ 武将がスーツに着替えたら

  • 番組名:歴ドラ 武将がスーツに着替えたら
    • 放送局:中京テレビ
  • 放送日時:2月16日(土)24時55分~25時55分

先日まで僕が使っていた中京テレビの一室がドラマのセットとして出てくるので何とも微妙な気持ちで見ていたが、社内の企画募集に入社3年目の若手制作マンが企画を出し選考に残り番組になったもの。「土バラ」枠は新規開発枠として「前略、西東さん」や「ササシマ MUSIC BASE」のような月1レギュラーの中にこうした実験的な番組を放送する。「eスポーツ応援バラエティ 突撃!すっゲーマー」「ここで、笑う」などが最近ではある。その中でも今回は異色なもの、一つは中京テレビには珍しいドラマ。二つ目に中京テレビ制作部と関連会社のミッドエンジンが手掛けることが多いが今回はほぼ完全に外部に制作実務を渡した。HPを見ると注目スタッフとして脚本は「スカッとジャパン」の脚本家山内氏、監督は「半沢直樹」「下町ロケット」の演出家棚澤氏と書いてある。そしてKING氏指摘の制作会社「閃(SPARKLE)」はTBSの関連会社。ドラマ作りに手慣れたスタッフで関ヶ原の戦いと誰でもが知っている歴史にサラリーマン世界の社内抗争をなぞらえて制作した番組、きわめて単純で分かりやすい仕上がり。スタジオ部分も明快で分かりやすい。低予算のため工夫がいろいろあるが、今勢いに乗る東京03の角田晃広を使ったり、名古屋に基盤を置き役者人生を貫く多田木亮佑を中心に彼の劇団の皆さんが多く出演したり、制作陣がやりたいこともやっている。そうした意味ではナイストライだったと思う。そして神アナをはじめアナウンサーも多用、学芸会的な楽しさもあったのだろう。

CBCテレビも最近「5.5チャンネル」と銘打ち新規開発番組の編成枠を設けた。制作費を回収することは難しいだろうがこうした形で番組を持つことは極めて貴重だと思うし、制作側はこのチャンスをぜひうまく使ってほしい。タマは撃たなければ的には当たらないと僕は信じている。だから少しでも意欲的にタマを撃ってほしい。

僕ら執筆メンバーの中でよく議論が起きるのは、番組にどこまで局の人間が関わっているか、完パケで外部に任せているのはどうなの?という問題。ご存知の通り番組制作には局、局の関連会社、それ以外の名古屋の制作プロダクション、東京の制作プロダクションとある。今回は東京の制作プロダクションが大きな役割を担っていたのでは?メーテレの「名古屋行き最終電車」は局スタッフの関与度が高いという。とても羨ましいことだが社内の制作体制で、しかもこれだけ残業時間が制限されている中では、外部とうまく連携を取り制作する事もよいことだと僕は思っている。あとは費用との兼ね合いだ。何らかの形で局の人間は必ずかかわっている訳でどのくらい関わればいいというボーダーはないでしょ。とりわけドラマ制作は経験の蓄積は大きい。少しでも番組制作現場があれば知見は蓄積されていくし、思いがけずの話もやって来るのだと信じたい。3年目の若手の企画を採用し手慣れた制作マンの番組にしていく現場を体験させたことは大きな形で先の結果につながるといいよね。タマを撃ち続けて必ずいつか当ててもらいましょう!

柴垣邦夫