「いまドキ就活!それホント?」(CBCテレビ・情報・バラエティ)

  • 番組名:「いまドキ就活!それホント?」
  • 放送局: CBCテレビ
  • 放送日時:2019年2月28日(木曜)25時29分~59分

今年の就活開始時期は3月1日。放送はそれに合わせたものだ。本来就活生向けの情報番組なのだが、おじさんが観ても面白かったので感想を書く気になった。面白かった、というのは語弊があるかも知れない。正直な感想、今どきの学生さんは大変だなあ、企業も大変だなあ、ということ。AI面接とか、リクルート戦略が体系的に組み立てられ、逆に言うとリクルートが商売になる世の中、採用企業側の必死さも見えるが、まだ21歳かそこらの人生経験が少ない若者にとってはタフな関門だなあ、と感じた。私らの頃は(こういう繰り言を言っちゃいけないのだろうけど)、もっと単純で、「人間対人間」が基本だった。それで採用してもババを引いてしまう場合がママあるので、企業側も防衛しなくてはいけないのだろう。使えるハードやソフトは使い切りたいという気分も分かる。

今後少子化にドライブがかかると、企業側も更に頭を使って採用しなくては会社の存亡に関わってしまうから、採用担当の人事セクションの苦労もひとかたではあるまい。もちろん、狭き門を突破する就活生とて。

番組ではAI面接や、履歴書に貼る写真をプロに撮ってもらうフォトスタジオ、また麻雀採用試験などのユニークな採用法を紹介していた。こうなると、採用側と就活生の「騙し合い」的な感じすらしてくる。私が対応させられたら「なーにがAIだ。機械に何がわかるってんだ!ばかやろう!採用担当、お前が出てこい!」とケンカになりそう。(汗)ヒートアップするリクルート戦の厳しい一面を見る思いだった。まあ、私らの世代はこうした現実に触れる機会が少ないので、面白く観たのだろうけど、本番の就活生にとってどのくらい役に立ったかは分からない。当たり前のこと過ぎて、いまさらテレビで観るまでもない、のかも知れない。

スタジオはCBCの会議室。MCにお笑いコンビ、「ミキ」。進行補助にCBCの田中アナ、ゲストに壇蜜という布陣。これがなかなかいい感じで、「ミキ」の仕切り(というか漫才だな)も良かったと感じた。壇蜜もこの手も番組には異色だが、これが意外やいいポジションだった。

更に一番気に入った(個人の好みはあるだろうけど)VTRの画面処理だ。CGと多彩なテロップを使い更に効果をふんだんに使った編集は色彩も含めセンスが良く、流石にCGデザイン部門を持つCBCクリエイションの制作だな、と感じた。もちろん纏めたディレクターのセンスも良かったのだろうけど。

全体的に就活生向けのテクニカルな番組というより、就活生周りの驚き情報を取材した番組と感じてしまった。これは番組にとって成功だったとは言えるのかどうか。これを実際の就活生に見せて、役立つだったかどうか訊いてみると良いかもしれない。全体によくまとまっていて、センスも良い番組と感じたが、どこまで就活生に役立ったかどうか、企画と受け手の欲しいものとのベクトルは一致していたのかは検証する必要があるだろう。(KING)