「新型コロナウイルス報道に思う その1」(在名民放各局)

  • 番組名:「新型コロナウイルス報道に思う その1」(在名民放各社)
  • 放送局:在名民放各社
  • 放送日時:2020年3月13日(金曜)夕方

WHOから「パンデミック」という言葉が出て、世界中に暗雲が垂れこめてしまった昨今。巣ごもりがちになっているため、普段に増してテレビに接する機会が増えている。テレビの報道・情報番組も取材、放送には苦労しているだろう。なにせ経験したことがない状態、ネット情報が跋扈する世界で、何をどう放送したらいいのか、苦悩の日々だと拝察する。個人的に夕方の情報番組に危惧を持っていたのでそのあたりも絡めて書いてみたい。長文になるが是非お付き合い頂きたい。

ある日在名の3局の夕方の情報番組を録画して全部観てみた。同時録画が3局しかでいないので東海テレビさんについては後日別稿にて感想を書きたい。

この日は株価がNYも東京も記録的な下落をし、トランプが東京五輪は一年延期したらどうかと言い出し、蒲郡では「コロナ伝染(うつ)してやる」男(おとこ)に捜査の手が伸び、という賑やかな日だった。

各局情報の並べ方には苦心の跡が見えた。視聴者の関心がどこにあるのか、今伝えるべきはなにか、報道デスクは苦吟しているに違いない。視聴した3局とも、コロナ関係、株、五輪、などの情報を並べ、かつ巣ごもり状態のための生活の工夫や自粛ムードで苦労する飲食業界、また高齢者とコロナの向き合いなど、まじめ系の情報が並んだ。

3局とも16時前に番組がスタートし、メ~テレと中京は16時50分あたりから、CBCは17時50分からネットニュースが挟まれる。とはいえ、東京ローカルで流れた企画モノを追っかけ再生して在名局のローカル時間に放送もしている。普段見慣れている夕方の情報番組とはやなりこの時期、構成を変えているなと感じた。コロナに対しては権威付けとしてCBCは愛知医大の三鴨教授を、メ~テレは陶生病院の武藤先生を、ゲストに迎えて感染症の専門分野を語らせていた。

彼らといえどもオールマイティではないので、まずはゲストをころころ変えないことと同時に、ゲストが言っていることが本当なのかどうか、セカンドオピニオンを取るくらいの慎重さ、確実さが欲しい。こういう時だからこそ、信頼される情報が大切で、煽らず、抑制的に警告して欲しい。先日、マスクの再利用については3局で出ていた先生毎に意見が別れていたのを見て強くそう思った。

またトイレットペーパーが店頭から消えた時、消えた棚を映すのではなく、在庫が溢れている映像を敢えて使うことによりパニックを抑えるという工夫は出来なかっただろうか。これからもそういう製品が出てくると思うので想像力(インテリジェンス)を駆使して、報道のありかたを工夫・検討してもらいたい。ましてやこれから店頭から消えそうな物を紹介するような軽はずみな企画は是非止めてもらいたい。(その2に続きます)