「ZOO-1グランプリ サンドウィッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦」(CBCテレビ)

  • 番組名:「ZOO-1 グランプリ~サンドイッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦」(CBCテレビ)
  • 放送局:CBCテレビ 創立70周年記念 11局ネット
  • 放送日時:2020年9月13日(日曜)午後2時~3時25分

久しぶりの投稿。コロナ禍にあってテレビの番組制作も「変容」を余儀なくされ、キャストやスタッフ、ゲストらの健康に気を使い、ロケ先の対応に苦慮しながらの半年間だったと思う。手探りだった「ニューノーマル」での制作スタイルもこのところある種の定形を見出したかのようで、一時低調だった特番・単発制作も最近各局盛んになっているように見える。

批評子としても各局の特番は気がつく限りは視聴はしている。しかし投稿のモチベーションに火がつくまでは至らず、制作陣を鼓舞する、という本サイトの趣旨に悖(もと)る状態が続いてしまった。暗中模索の不安の中で一所懸命番組を作り続けている在名の制作者(局やプロダクションを問わず)に敬意を表したい。営業事情も「ニューノーマル」になり苦戦を余儀なくされている事だろう。

さて、筆者の再開(?)第一号に選んだのは昨日放送されたCBCテレビの11局限定ネットバラエティだ。本作はCBCクリエイションが初めて手掛けた全国ネット番組。他の局ではすでにミッドエンジンや東海テレビプロダクション、名古屋テレビ映像などがそうした番組を手掛けているかもしれないが、CBCクリエイションとしてみれば画期的な出来事といえる。まずは現場の努力(編成や営業も含め)に、おめでとうと言わせていただく。

この番組(タイトルが長い!)は全国44箇所の動物園をリモートで結び、それぞれの飼育員さんにテーマに従い、自慢の動物のプレゼンをしてもらおうというものだ。当然全部の動物園が網羅されるわけではない。しかし、ZOOMなどのリモート映像はかつては中継という手段を使わなくてはならなかった事を思うと、この不幸な事態を逆手に取ったアイデアとなりつつある。画質の優劣はあるものの、通信回線を使ったリモートという手段はある種テレビ制作の限界を破った革命的なものと言えるのかもしれない。

スタジオに在名局の特番にも盛んに出演し、高感度が高いサンドウィッチマン、さらにパネラーに雨宮萌果(スタジオ進行を兼ねる)、寺田心、山之内すずを配してリアクションを取っていた。筆者はせっかくサンドがいるなら他のタレントは不要な気がした。サンドも活かしきれず、他のタレントが生きていたとも思えないからだ。それならより多くの動物が見たかった。

全国からキャラクター豊かな飼育員さん(獣医さん、広報さんのケースも)が出演し、自慢の担当動物と共にそのユニークさや可愛さを競った。荒んだ時代に動物たちの欲得のない表情は和みや癒やしを与えてくれる。飼育員さんたちの動物に対する愛情が伝わると同時に動物たちも世話をしてくれる人間に対し愛情を持って応える姿が愛おしい。日曜の午後、家族で見るには実に適した内容だったと言える。作り方も、「振る舞いが人間のような動物部門」「イケメンライオン部門」など5つの部門でグランプリを選んでいく。賞品がスイカ50玉とか牛骨と野菜の盛り合わせなど動物の餌になるものだったのも気の利いたアイデアだった。また「お手が上手部門」では44の飼育員の投票でナンバーワンを決めるなど飽きさせない工夫も良かった。

並のタレントだとキツめになるツッコミもサンドの手になると笑いに昇華され、いい感じだ。個人的には「田中(飼育員)が大好きでしょうがないユキヒョウ」が気に入った。事前作業が大変な番組だっと思うが、気づきもあったりで楽しい時間を過ごすことが出来た。今後も「ニューノーマル」の中で「WITH コロナ」を余儀なくされる番組制作が続き、ストレスフルだとは思うが、元の暮らしが戻っても、この不幸な時期に得たアイデアが生きるように、制作陣の踏ん張りに期待したい。

この番組の後が「半沢直樹」第8話に繋ぐ総集編という編成もなかなか「う・ま・す・ぎ・Death!」(KING)