変化は進化のチャンスです。CTV「中部10県秋の絶景」

番組名 :「中部10県秋の絶景」
放送局 : 中京テレビ
放送日時: 2020年9月13日(日)15:00~

コロナウィルスの影響でテレビ番組の作り方も大きく変わった。バラエティの出演者たちはソーシャルディスタンス確保のため、不自然な距離をおいて座るが、それでも何とか笑いをとっている。ホンネを引き出すトーク番組では、従来は出演者同士をなるべく近くに座らせ、ベースカメラを遠くに置くのが定石だったが、今では3点を結ぶと正三角形だ。テレビ電話で参加のタレントは、出先にスタッフが来てくれないため、自ら機器の使い方を覚えなければならないらしい。ドラマも然り。刑事が顔をくっつけ合って密談する演出は減り、サラリーマンが宴会で騒ぐシーンは、もはや存在しない。

テレビ制作の「制」は制限の「制」だと若い頃、先輩から教わったことを思い出す。制限こそが、創意工夫を生み出す源という訳だ。こんな時だからこそ、制作者たちは底力を発揮するのだろう。

例えば、今放送中のキー局のドラマ「リモラブ」は、この時代の不便な事情を逆手にとった秀逸のコメディだ。そういえば、春頃放送していた「家政婦のミタゾノ」では、3人以上が同時出演するシーン無しという見事な回もあったよなぁ。そして、最近の生活情報番組では、テイクアウトやお取り寄せグルメの取材の切り口が妙に研ぎ澄まされてきた気がする。この地方においても9月に拝見した表題のブロック特番「中部10県秋の絶景」が良かった。メインキャストのみやぞんが、写真映えする旅先ポイントを巡りながら移動するのだが、途中で中部各局のアナたちがリモート出演し、上手に地元ネタを盛り上げる仕組み。

いずれにしても「変化は進化」のチャンスなのですね。

中島精隆