石井亮次アナウンサーがサワコの朝に出ていた!

  • 番組名:サワコの朝
  • 放送局:CBC(TBS系列ネット)
  • 放送日時:2021年3月13日(土)朝7時30分~8時

2011年から始まった「サワコの朝」もこの3月いっぱいで終わる。その大切な時に「ゴゴスマ」のMC、石井亮次アナウンサーがゲストとして出演、阿川佐和子さんとトークしていた。

この番組はMBS制作なので、「ゴゴスマ」が今春からMBSでも放送が始まることを契機としてゲストに迎えたのだろう。立派にゲストトークを果たし、野球中継を初実況した時にしてしまったアナウンサーとしての大失態や「ジェネリック宮根」と言われている事など軽妙に楽しい話と「ゴゴスマ」での気構えを語っていた。

30分の全国ネット番組にゲストとして迎えられるとは、よくここまで来たなあと感心した。彼が若い頃「花咲かタイムズ」でも飄々と少しコケティッシュな雰囲気でレポーターとして活躍して楽しい空気を作っていたことが記憶に残っている。

CBCテレビが渾身の編成として平日午後帯に2時間の情報ワイド番組を始めた2013年に彼はMCとして抜擢された。当時この枠は「ミヤネ屋」が全盛で中京テレビの編成にいた僕は、他局ながら苦労するだろうなと思っていた。2時間のワイドショーというのは、デキる制作スタッフがかなり必要だしネタも揃えるのは相当な力量がいる。制作費も半端なくかかりそうで苦労は必至と思った。神風が吹いてきたのは2年後。TBSにも放送されることとなり、報道色を濃くしネタには困らなくなった。ありとあらゆる記者会見がほぼ毎日あり、ゴゴスマで生中継していった。そしてCBCのスタジオで東京のタレントや評論家たちと石井アナが軽妙にやり取りし視聴率もじわじわと上がっていき、ついにミヤネ屋と肩を並べ抜くことも出てきた。

石井アナをはじめとする番組スタッフの頑張りが大きいのは当然だが、社として番組を支え続けたCBCテレビもよく耐え支え続けた事は称賛に値する。続けることは高い山を乗り越えていく事があるという事を実証した意味でも拍手ものだ。

さて石井アナは2020年4月にCBCを退社しフリーになった事も話題になった。しかも「ゴゴスマ」は引き続きMCとして出演、CBCも良い判断をされたと思う。サラリーマン感情で言うと、退社したアナウンサーを使い続けることは簡単そうでなかなか難しい。社員のアナウンサーもいる事だし、フリーになれば収入も多いだろうというやっかみもあったりするから。彼もフリーアナウンサーとして東京に出ていく事も選択肢としてあっただろうけど名古屋で「ゴゴスマ」を続けるというのはこの時点では一番恵まれた環境だったし的確な判断だったと思う。

テレビ局にとってアナウンサーという特殊な職種の社員をどういう風に雇用していくのかはそれなりに難しい。新人時代は女子アナが脚光を浴びる事が多いだろうし、給与体系は基本給に残業代だろうから露出の多さによる給与差はあまりない。どのアナウンサーを番組に起用するかというのもアナウンス部の意向より番組スタッフからの要望の方が強くバランスがとりづらい。

名古屋のテレビ界でせっかく育った宝だから、名古屋の大きな舞台で引き続き頑張っていけることを示したのは、一つの在り方を認識させたのではないか。もちろん石井アナのMC力があるが故だ。

「ゴゴスマ」でもう一つ僕が感心しているのは、レギュラーのコメンテーターとしてCBCの特別解説委員の石塚元章氏が横に座っている事。彼がいる事で報道的な知見についての抑えができる。そういう存在が社内にいる事はどれだけ番組スタッフや石井アナにとって頼りになる事だろう。放送表現としても抑制が効いている。また、気象予報士として番組で活躍している沢朋宏アナも社員だ。社員に多才な人物が多く汎用性が高いのもCBCの良いところ。

「ゴゴスマ」は今春に大阪でも放送され一部を除いて全国放送となる。今まで通り着実に実績を積み上げていき、さらに大きな存在の午後番組になっていく事を期待する。名古屋から全国モノが発信されることはエリアにとって意味のある有効な事だ。

そして石井アナウンサーは社内外の応援を受けてさらに活躍の場を広げていって欲しい。大いに期待する。

柴垣邦夫