「運搬千鳥 それ、どうやっては運ぶんじゃ?<’21版>」(東海テレビ・バラエティ)

  • 番組名:「運搬千鳥 それ、どうやって運ぶんじゃ?<’21版>」
  • 放送局:東海テレビ(フジテレビ系全国ネット)
  • 放送日時:2021年4月18日(日) 16:05~17:20

企画の勝利、というべき番組。去年は観ていなかった本作、いわゆる情報エンタメとして楽しく観させてもらった。個人的にこういう「知的エンターテインメント」とでもいえる情報番組は大好きなので、バイアスが良い方向に掛かっているかも知れない。去年の同番組では「大量のイワシ」「マンモスの骨格」「桜の木」「山小屋への荷物」を取り上げていたらしい。今年は「温泉のお湯」「竹」「動物」「トレーラーハウス」が取り上げられた。

情報はインターネットで受け取ることが出来るが、リアルな「製造物」などは人間が運搬手段を使い届けなくてはならない。通販やサプライチェーンによる物流が注目される中、人の手で届けなくてはならない、運ばなくてはならないモノに注目した「ロジスティック情報エンタメ番組」。冒頭でも触れたように、目の付け所が良い企画だ。

こうした番組はリサーチ、ロケハンが命。およそ人の手で運ぶとは考えられないものを運ぶ人の努力の裏側までキチンと迫り、モノを運ぶことに対する熱い思いを提示出来ていたのが嬉しい。運搬の職人は真剣だから時にリポーターを叱りつける。そこには彼らの仕事に対するプライドが感じられて、痛快だった。素人のお笑いリポーターらがプロフェッショナルと対峙し苦心・苦闘するVTR中の姿やハプニングも楽しい。筆者としては「巨大トレーラーハウス」の運搬が周辺情報も含め一番面白かった。

ただ、「動物」の運搬がやや弱かった。動物園の動物はいったん施設に入れて人間に慣らさなくてはならない、また、動物園に移動させる際には通過する全ての自治体に許可を得なくてはならないとは新しい情報だったが、このコーナーは全体にインパクトが弱かった。「コロナ」が影響してしまったのかも知れない。特に大蛇とモモイロペリカンを敷地内にある移送は、「埋草」的な感じを受けてしまった。

「運搬」されるものは、海外まで視野を広げれば、とんでもないモノもまだあるだろう。来年も続編が制作されるのなら、ぜひ頑張って、視聴者を刮目させるようなネタを集めてきて楽しませて欲しい。筆者も個人的に是非観てみたい。

メインの千鳥の2人、スタジオゲスト、スタジオ進行アナ、VTRリポーターたち、それぞれ嫌味の無い良い味を出していた。筆者は千鳥のノブのファンなので(NHK「突撃!カネオくん」のカネオくんのスタジオアテレコ担当がいい)彼のウィットに富んだコメントは番組にいい味をだしていた。日曜の午後に家族で見るのに相応しい番組だったといえよう。(KING)