(’21版)「サンドウィッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦 ~ZOO-1 グランプリ~」(CBCテレビ:バラエティ)

  • 番組名:「サンドウィッチマンのどうぶつ園飼育員さんプレゼン合戦 ~ZOO-1 グランプリ~」(’21年版)
  • 放送局: CBCテレビ(JNN系11局ネット)
  • 放送日時:2021年6月19日(日曜日)午後2時~午後3時24分

去年の9月の全く同じ枠で1作目が放送されたCBCテレビ(制作はCBCクリエイション)製作ネット番組の第二弾。昨年の放送も書かせていただいたが、今年は前回に増して工夫が加えられ面白く観させてもらった。視聴中、何度ニヤリとしたことか。基本的に演出が効かない動物たちの、自然で無垢な仕草や表情は、「コロナ禍」に荒んだ心にはピッタリだ。サンドウィッチマンのさりげないツッコミも相変わらず絶妙なタイミングと内容だ。前回は会社創立以来初の地上波全国ネット制作ということでチカラも入ったであろうCBCクリエイションの演出陣のこなれも感じ取れた。

1作目は、コロナ禍が生んだ企画の色彩が強かったが、2回目ともなると、そんな事情を感じさせないほど一般的な企画に昇華出来てきたな、と感じた。(もちろんコロナ禍で多くの動物園が通常営業が出来ないから、視聴者に動物たちをたっぷり観てもらおうとするベクトルはコロナ禍産である面が大きいが)。

コロナ禍だけではなく、制作費、限られたスタッフなどの昨今のテレビ局の懐事情も透けて見えるが、(サンドの伊達が記者会見でバラしていたが、収録スタジオにはカメラは7~8台あったけど、カメラマンは1人だけだった、という)そんな事を感じさせないパワーを持った番組になったな、と思う。ただ、ネタがいつまで続くかいささか心配だ。

今作でもサンド以外の出演者は前回と同じ。ただ、今回はお笑いコンビ東京ホテイソンが神戸でロケをした点が大きな変化だった。それと去年はリモートで結んだ動物園が44箇所だったのを、今回は30箇所に整理し、随分見やすくなった。

番組は「振る舞いが人間のような動物部門」「あの動物園がスゴイ部門」「イケメントラ部門」「貴重!偶然撮影した動物映像部門」の4つの部門で各部門5~7の動物園がプレゼンをして、登場している30箇所の動物園関係者(獣医、飼育員など)が投票し、グランプリを決めるというもの。このスタイルも去年と同じ。ひねりの聞いた賞品も情報の一つとなっている。

筆者を含め日本中の動物園のことを全部知るわけもなく、「こんな動物園があったのか」「こんな動物がいたのか」というプリミティブだが屈託のない知的好奇心をくすぐられた。リポートやナレ原稿も、飼育員さんらが読むという点も番組全体にいい雰囲気を与えている。「動物好きで獣医になったのに、(痛いことするから)一番動物に嫌われている」と苦笑する獣医さんには笑った。動物園あるあるも、楽しい情報だ。個人的に一番のお気に入りだったのは長崎県佐世保市の「西海国立公園・九十九島動植物園きらら」から「振る舞いが人間のような動物部門」にエントリーして見事優勝した「剛速で飛んでくる餌を野球のキャッチャーさながらに受け止めるマントヒヒ」だった。これには正直驚かされた。

とにかく寝っ転がって、「へえー」と思いながら楽しい時間を過ごすにはピッタリの番組だ。楽しく観させてもらっった。来年のネタ集めが大変そうである。コロナ騒ぎが収まっても、立派に成立するコンテンツだと思う。(KING)