東海テレビ 鵜澤プロデューサーにお聞きした

先日投稿した「銅像スター調査隊!」のプロデューサー鵜澤龍臣氏に話を聞く時間をいただいた。その一部を紹介する。

鵜澤プロデューサーは現在40歳。営業や報道も経験して制作部には7年。

レギュラー番組は日曜昼の看板番組「タイチサン」やアンタッチャブルが主演のバラエティ「腹ペコ魔人」、そして年2回放送の「銅像スター調査隊」などの単発番組や配信番組など担当されている。

まじめな方で「テレビの旋風」は全記事見たと言い、以前彼が制作した「どえらいもん映像社」の記事も読んだという。そして、東海地区の番組に対する批評はなかなかないので励みになると「テレビの旋風」にエールを送ってくれた。

ーーー「テレビの旋風」に書いた「銅像スター調査隊!」番組評について、自己評価は?

2018年に金曜19時のローカル枠で放送、数字もよくて全国ネット番組に昇格、2回日曜午後帯で放送。やってみたらローカルネタの方が見やすく面白いし中身も濃く、地元の人がうれしくなる内容を描いた方がよいという判断で今はローカルに帰ってきて年2回の放送となっている。記事にあったように地元ネタばかりというのはそういう事。

地味でも地元にとっては偉人を掘り起こして描くのはなかなかない事で価値があることだと考える。幅広い層に見てもらえ、ほめていただけることも多い。

ーーー「タイチサン!」の番組作りのこだわりは?本人取材が特徴?

「こくぶんフレンズ」では太一さんが実際にロケをし、コロナの状況もあるので事前調査を綿密にやりながらも、取材時の太一さんの目線を大事にしている。

ーーーカメラマンを愛称で呼んだりスタッフとのチーム感があるね。

大スターによる街歩きなのにやりにくそうな感じは全くない。3人でロケをするスタイルを基本に作っている。その世界観を守ってこのロケは一つの発明だと思っている。太一さんが毎週来てくれて番組を楽しんでくれるのでありがたい。

タレントの力を借り、すぐそばの街を歩くことは地元の人にとって喜び、それはテレビのチカラだと思っている。太一さんにいろんな街を見せたい。ローカル感を大切にする。

逆に名古屋で作る全国ネット番組は微妙なところがあり、札幌や福岡だとわかりやすくローカル感を出せるのだが。全国をターゲットにすると予算もそれなりにいるし、クオリティも負けないものにしなくてはいけないし、いつも考えてしまうポイント。「銅像スター」は人にスポットをあてているので普遍性がある。

ーーー番組作りで考えている点は?

年齢、ターゲットについて。世帯視聴率をとる意識が染みついているので個人視聴率に代わってきた現在、もう少し下の年齢をかなり意識している。14才から59才のネタをどう発掘するか?とはいえ今までの感覚があり、そこを意識していないと今までの染みついた判断でボツにしかねない。過去の成功体験から意識は変わってきている。若い人をめっちゃ意識している。

ーーー東海テレビは特番がとても多いと聞くが?

かつてほど多くはないのでは。僕で特番は年間で10本ほど。会社を辞めたりする人もいて現場の人も減った。でもやる気のある若い人も多く、面白い番組を作っていくしかない。

ーーーテレビはオワコンといわれることもあるが、ご意見は?

オワコンという言葉はもう少し前の議論で、その言葉は忘れていた。世の中の人はテレビがオワコンかどうか気にしているわけではないのでテレビが生む番組を作るしかない。

ーーーそういう意味ではWBCでは48%という数字をとった

可能性を感じた。

ーーー左上に出てた野球ルール説明のスーパーは新たなファンを作る試みとして良かった。まだまだやれることはあると思う。

以上のようなやり取りだった。今回は中島さんと、僕がインタビューした。

最後に僕が印象に残った事を書くと「テレビの旋風」のような番組評の印象を聞いた時に出た話。彼曰く批評には案外慣れている、というのはツイッターなどでしょっちゅう反応が返ってくる。生放送では顕著。的を得ている反応もあればそうでもないものもあるが、番組作りには役に立っていると言ってたこと。なるほどさもありなんと思うが、どんなつぶやきが来るかわからないので、瞬時に判断しなくていけないケースもあるだろうから、大変な時代だと改めて感じた。

柴垣邦夫