「土バラ・マンガ飯」(中京テレビ・バラエティ)

  • 番組名:土バラ「マンガ飯」
  • 放送局:中京テレビ
  • 放送日時:2018年11月3日(土)25時05分~26時05分

マンガに出てくるメニューや美味しいものを実際に作ってみるという試みは、珍しくない。
すでにTBS系「マツコの知らない世界」では、アマチュア(主婦)の梅本ゆうこさんというこうした事に熱心な方がを紹介、数点のメニューも紹介していた。彼女のサイトは人気があるという。

さて、こうした珍しくないアイデアをどうテレビ的に面白くするか、が勝負だった本企画、ドラマとドキュメントの融合というスタイルで来た。「孤独のグルメ」を彷彿とさせるが、困難なメニューに挑戦するドキュメントにはマンガ的なカリカチュアライズは排除した真剣勝負なので、その点、筋書きの無いドラマのハラハラ感は見どころはあった。

名古屋の大手商事会社の資料整理室という閑職の課長、グルメコミック大好きは田部健二郎(甲本雅裕)がコミックから選んだ「これだ!」というレシピを、たった一人の部下である山本千夏(詩織)がリサーチし、シェフに依頼し実現させてもらう、そした後日、課長と二人で完成品を食べに行くという筋立てだ。

この日は「男おいどん」から「縦横20センチの大型サイコロステーキ」をフライパンで焼く、「包丁人味平」から「アイスクリームの壺揚げ」を紹介。刺身のツマ的に、「玉露の美味しい入れ方」を解説していた。

ドキュメンタリー部分で素人に演技させる、という難点がつきまとうが、これを役者にやらせると「孤独のグルメ」になってしまう。なので、次作があるとすればこのスタイルは守るべきであろう、が、取材を嫌がるシェフもいるだろうから、取り上げる範囲は狭くなるだろう。それを乗り越えられるか。

また全体にテンポがやや緩慢。「玉露」の下りは改善の余地あり。ドキュメント部分にもう少しリアルな情報が欲しい。たとえば完成品の重さは何キロあたのだろうか。
甲本雅裕は美味しいものを取り上げるキャスティングとしては、やや「?」がつく。
詩織はドキュメントとドラマの境目の演技に苦労していたがまずまず健闘。

企画者の思いがストレートに伝わってくる好企画になるはず。洗練と工夫がもう一つ求められる。その過程を見たいので、準レギュラーには出来ないだろうか。(KING)