大誘拐2018

  • 番組名:大誘拐2018
  • 放送局:東海テレビ
  • 放送日時:2018年12月14日

ベストセラーの原作も映画も見ておりませんので、番組を見ただけの感想です。
番組前半は浮世離れした展開や敢えての三河弁に疲れ気味で乗れませんでしたが富司純子の怪演につられ被害者が誘拐側の首謀者になっていくストーリーも入ってきて最後まで見ることができました。
いくつか辻褄の合わないところもあったけどコメディと思えば気にはなりません。
それより愛楽園に象徴される児童擁護施設が大きなキーになっていて、原作にはなかったのではと思うがどうでしょう?脚本の宅間孝行は芝居の中でも知的障害の話を扱ったり弱者に優しい視点を持つことがある。そんな宅間テーストなのかと想像する。愛楽園育ちの犯人の一人や警察で総指揮を執った渡部篤郎演ずる警視正、そして富司純子演ずる三河のマザーテレサ皆が愛楽園に想いを持ち、この奇想天外な100億円詐欺事件を不問にしていく。そこには「自分の立ち位置だけを考えている世の中」に大きな怒りがあるというストーリー。いささか単純だが19時台の単発ものでは適しているのでは。

ただ、何故このドラマが東海テレビの60周年記念番組で貴重な全国ネット番組として選ばれたのでかよくわからない!極めて今日的なテーマではないし、ふんだんに方言を使っていたがエリア性があるわけでもない。では企画者はどうしてかなり前のこの企画を今作りたかったか知りたい。

柴垣邦夫