- 番組名:伝える’18「つい、人は・・・」
- 放送局:CBCテレビ
- 放送日時:2018年11月18日 25時25分~26時15分
人間の行動心理をうまく利用して、大きな成果を上げている小さな工夫。
海外や国内での成果や実例を挙げながら、そんな珍しい研究をしている大学の研究室の活動を取材。
知的好奇心をくすぐる面白い素材で興味を惹かれた。
有名な男性用トイレ(小便)の小さなマークがよく知られた実例。
海外の公園にある世界一深いと表示されたごみ箱。ごみを入れるとかなりの時間を経て落下音がする。その音を聞きたくて、ごみの放置が激減したとのこと。
人はこうしろ、ああしろと注意されるとなかなか素直に従えない。ある種の遊び心を刺激すると人は行動するようだ。
だが、人間の心理を逆用すれば恐ろしいことになる。世のため、人のため、というところが肝心でそこはAIやロボットと同じ危険性もある。と、見る側にいろんなことを考えさせてくれる。
バラエティを作ってきた私から見るとドキュメンタリーより、科学バラエティ的な作りの方がより面白く見せられるのではと思った。
取材の中心となる大阪大学の仕掛け研究室での研究のプロセスや成果がやや地味なので番組構成で苦労されたのではないか。
ところで、クレジットなしで冒頭から登場する進行役、今野浩喜のキャスティングはどうだったんだろう。
今や、俳優としての活躍が目立つが元はお笑い芸人。彼の個性を生かし切れていないというか、「つい、人が」やるようなことも彼なら「いや、俺は」と違うことをやりそうな気がする。
道徳心の乱れる昨今、工夫次第でまだ、やれることがあるかもしれない。やはり遊び心は大切だ。
澤田健邦