「ただいま 大須商店街」

  • 番組名:「ただいま 大須商店街」
  • 放送局:東海テレビ
  • 放送日時:2019年1月2日 14時~

大須商店街の実家(和菓子屋)に、27年ぶりに戻ってきた久美子(松下由樹)。
大型都市開発の計画が持ち上がる渦中に、やがて幼馴染の大輔(西村和彦)と共に開発反対派として奔走することになる久美子は、大須商店街の「ごった煮」の魅力に気づき、世界中のここにしかない街(ふるさと)だという思いに至る。
そして父(平泉成)に対する誤解も、危篤の母(いとうまい子)のもとへ駆付けなかった訳を知ることで解けていく。

お正月に相応しいハートウォーミングなドラマであり、久しぶりに大須商店街に行ってみようかな、という気持ちにもなれた。

しかしながら、大型都市開発の計画が、大須商店街の平穏な日々を壊す悪として設定されたことは、後味の悪さとして残ってしまった。

有力政治家(ベンガル)が提案した開発計画はとんでもない話で、反対派の久美子たちの活躍で、その計画を潰すことができて、めでたく一件落着。
お正月に見るドラマということで、小難しい話を敬遠して、悪者を懲らしめることでスカッとしていただきましょう、ということかしらとも思いましたが、このようなステレオタイプとも言える展開は、いささか取ってつけたように思えた。

というのも、ドラマの進行中に、たとえば昔の映像(アメ横の誕生)で振り返っていたように、変化を受け入れ、多様性を認めることによって、今の大須商店街の姿となっているのだから。

もしも本作の続編があるのなら、ジャーナルな視点を持って、大須商店街が現在抱えている課題を掘り起こし、この先も大須商店街が「ふるさと」であり続けるために葛藤する様をもっと浮き彫りにしてみては、いかがでしょうか。(PONT)