中京テレビ 前略、大徳さん 

番組名:前略、大徳さん
放送局:中京テレビ
放送日時:2019/5/5(日)

2013年の番組スタート時はビビる大木と徳井義実の二人MCがややぎこちなく、息も合わず、ひやひや。営業要請の話題も淡々と進行。
うーん、といった感じであったが、その後枠拡大もあり、徳井が面白いという噂を聞きつけ、視聴を再開してからは毎週楽しんでいる。
どこかのタイミングでここに書こうと思っていたら、令和はじめての放送のこの日、爆笑した。

この日はスタジオゲストに山下真司、青木さやか。メインの企画は名古屋の百貨店3社の令和セールスバトル。大木と局アナが取材リポーターというところまではいいのだが、驚きは3社のスタッフが一緒に同行してのセールスポイントを競うという大胆な企画。
昔なら別々の取材で編集でまとめるところを3社ともに、というところが時代を感じさせる。デパート側もある種、洒落っ気で対応しているのだろう。
出演するスタッフも会社を代表しての出演で、ビデオとはいえ、その場での対応はかなりのプレッシャーもあるだろうし、出来栄え次第では放送後の反響も問われるかもしれない。百貨店サイドがこの企画に乗っていただいた、ところがありがたい。
この企画では無理に笑いを作る必要はないので大木の起用が自然だし、3社の方々の個性もあって良かった。

毎回、徳井がとぼけた味わいのコーナーを持っている。このコーナーが私のお気に入りで、今回は元号令和のパネルを持った菅官房長官の顔出しパネルに自分が顔はめしながらのトーク。。
この日はゲストの山下まで顔はめに参加というハプニングもあり、毎回のゲストも徳井のボケを楽しみつつ、突っ込みもあって、スタジオの雰囲気も良い。
ここで実験したネタを東京キー局でもうまく活用しているのではないか。高田純次がやったような成功例を作ってもらえればうれしい。

今回の爆笑ネタは令和記念の商品、平成の空気の缶詰だ。数量限定でしかも1008円という定価。洒落だけの企画商品を考える人も凄いが、これを山下に試食させるという演出が素晴らしい。一瞬、戸惑いながらも、缶を開け、スプーンで口に運び、「うーん、おいしい!」。
山下真司らしく台詞に力がこもるだけに、芝居がかった感想が増幅されて面白く、スタジオも私も爆笑した。平成の味はという質問には「感謝ですね。」理由は元年に結婚した妻への感謝だというのもなかなかいい話。これは事前に考えたのかも。ともかく、山下真司に空気の缶詰をという演出はナイスセンス!讃えておきたい。

天気予報のコーナーでゲストを絡ませるのも出来のばらつきはあるものの、ゲストの味が出るいい演出で、前回だったか、藤井隆の時は暴れっぷりが笑えた。

毎回、番組のラストで視聴者からのSNSによる感想を紹介しているのもいい演出だと思う。そして最もバズッたシーンをニュースの後のエンディングに持ってくるのは工夫が見える。私の記憶ではスタート時はMC二人が反省会のようなトークをしていて、つまらなかった。
今回は青木さやかを西川貴教と間違えたという声になるほど!
山下の缶詰のシーンが最も反響があったということでシーンをリピート!納得!

地元タレントの起用も好感が持てる。視聴者にも長い目で見てもらい、育てることが大事だ。いい人が出てくるとイイネ。
出演者も楽しく、頑張っていて、制作スタッフも色んな工夫を凝らしている様子が見て取れる。クライアントとのコラボも好調のようだ。
更に、面白い番組になることを期待したい。

澤田健邦