「県民総選挙2019 愛知スゴイものBEST50」(テレビ愛知:情報・バラエティ)

  • 番組名:開局特番「県民総選挙2019 愛知スゴイものBEST50」
  • 放送局:テレビ愛知
  • 放送日時:2019年9月1日(日曜) 午後1時~午後3時

9月1日はテレビ愛知開局記念日だそうで、今年は36回目。おめでとうございます。そこで同局は日曜の自社制作番組「サンデージャーナル」を巻き込んでお祭り的3時間の生放送特番を編成した。1部は愛知県民が考える県内のスゴイ「こと、もの、人」のベスト50を決めようというもの。生放送で時間内にナンバーワンを予想してくれた視聴者に総額1000万円分の商品が当たるという太っ腹企画だ。

2時間の特番にお付き合いして、まず気になったのは、全編生放送のコダワリだった。同時進行していた「10チャン縁日in矢場公園」とシンクロしたかったのか、あるランキングは生中継対応をスタジオと結んでやりたかったのか。生放送で賞品を提供したかったのか。ベスト50はスタッフが1ヶ月かけて県内を駆けずり回り県民にアンケートを実施、それをVTRに纏めてあった。スタジオの愛知県ゆかりのタレントたちはそのリアクションを求められていた。

スタジオのタレントの数が多過ぎでリアクションコメントに納得性が薄かったと感じた。いろんなやりたいことが詰め込まれ過ぎで若干とっちらかってしまったかなあと。VTRの仕上がりに比べると、VTR>スタジオ>プレゼント>中継>という風な出来の関係で、本来ならば不等号が基本的に全部等号となるのを目指したいところ、やりたいことが整理できずに損したなあ、という感じだった。

ランキングの方だが、下位に面白さを感じた。その割に作りがもたついた感じ。1つの項目にコダワリたいという演出側の強い思いはよく分かるのだが、一つの項目で、何かを想像させる街頭インタビューあり、その後そのものを紹介し、さらに感想の街頭インタビューがあるというのは40位台でそんなボリュームで続けるつもり?と満腹感が前に来てしまった。上位は当然皆が想像できる事柄や物であったので説明に時間を掛ける必要がなく、そのような編集になってはいた。本来ランクアップしていく項目は上にいくほど、それはなぜかという説明が多くなるというものだろう。それが逆転してしまった居心地の悪さを感じてしまったのかもしれない。

2時間+1時間の生のスペシャルをやり切ったことは称賛したい。が、私が編成ならこれだけ時間を掛けて取材したソースを一回だけで終わらすのはもったいないので、4回~5回に分けて30分番組にし全編収録化して開局特番としたかなあ、それを土日の夕方に放送したかなあ、などと思いながら観ていた。

少し、くさしてしまったが、県域放送局が3時間の生スペシャル番組をイベントと連動させながら放送するというのは簡単ではないだろう。そこをやり切った編成、制作、技術、営業の関係者のみなさんに敬意を評したい。これは素直な気持ちだ。(KING)