- 番組名:カッティングエッジ
- 放送局:中京テレビ
- 放送日時:2019・11・17 1500~1625
中京テレビ50周年と名古屋大学創立80周年を記念しての特別番組。
民放では珍しい知的エンターティンメント番組。番組成立にかけての関係者のご苦労を讃えたい。
最先端の科学者に迫るという狙いは研究の新しさや多領域にまたがる体制や施設など、かなりの部分で視聴者にも届いたと思う。
柴垣さんのブログで書かれていることに私も概ね同感だ。制作スタッフの熱意も評価したい。
そこでここでは、演出面での問題点を中心に辛口の感想を述べることにしたい。
構成スタッフを起用していないようだが、番組の流れを見やすく構築するために必要だと思う。様々な分野に関わる研究の紹介と研究者の取材結果をどう整理して番組にするのか。ディレクターの相棒、相談役としての構成スタッフの価値を理解していないのではないか。
次に、番組の使命、伝えるべきことに加えて、ちょっと欲張った願望をちゃんと消化できないまま番組にしたように感じる。
それは階段教室という素敵なデザインを使って、研究者とMCを一堂に並べるという映像に拘り過ぎたこと。
更に出演者を一堂に揃えての、意見交換やフリートークを想定したのではないか。
ここで意見交換をやるなら、そのための事前準備、打ち合わせが必要だし、相応の収録時間も必要となる。
子育ての話題を膨らまそうとしたのか?女性研究者も? 極めて中途半端なものとなった。
フリートークを想定しての壇蜜の起用と思われるが、明らかに計算不足だ。結果、壇蜜を活かすことができなかった。
MC二人が山本教授に会いに行くところは呆れた。残りの研究者をその場に置き去りにして! これはやってはいけない。演出の基本マナーだ。
その山本教授が他の研究者とともに階段ステージに並んだのは最後のスタッフロールが流れる背景の1ショットのみ。
磯貝アナはこういった硬派なテーマに臆せず、取り組めることが分かった。今後に期待したい。
番組を総括して締める形をどうするかは構成、キャスティングにも関わり、色んな方法がある。
有能な外部のスタッフや組織を越えた社内の知恵を吸収して、更に面白い、良い番組つくりに挑戦してほしい。
澤田健邦