心の整理はいかに。CBC「サンドウィッチマンが認知症とガチで向き合ってみましたTV」(再)

番組名 :「サンドウィッチマンが認知症とガチで向き合ってみましたTV」
放送局 : CBC
放送日時: 2020年2月27日(木)23:59~(再放送)

この国の2025年は、65歳以上の5人に1人が認知症という世の中になっているらしい。寿命が延びたせいだと思うが、世界規模では、国際アルツハイマー病協会によると3秒に1人のスピードで認知症が増えている…。いや、これは本当に他人事ではない。

この番組では、3組のご高齢夫妻を認知症カフェ(名古屋市内には200カ所)なる情報交換の場にお呼びして、お笑いコンビ、サンドウィッチマンがお話を伺っていた。3組とも、奥様がご主人の日常生活を支えておられるのだが、体験談からやはり、愛情と根気が不可欠だとわかる。こうした場では、同じ悩みを抱える方々が、オープンに会話できる点が良い。今回は、あまり重い話題が出てこなかったので、初めて認知症カフェを知った視聴者も割りと穏やかな気持ちで将来への準備を促されたことだろう。

サンドウィッチマンには、もともと災害や福祉に関するテーマに真摯に取り組む姿勢があり、好感が持てる。今回もお年寄りに敬意を払いつつ、円滑にお困りエピソードを引き出していた。番組タイトルとは裏腹だが、緊張感を遠ざけながら本題を掘り下げていくのが持ち味だ。

さて、この番組の使命は、日常の中で認知症と上手につき合っていくヒントを万人に提供することなのだと思う。長年打ち込んできた仕事や趣味が全くできなくなった患者に対し、まだ終わっていない人生を少しでも良くしてやりたいと願う家族が、どのように心を整理しながら介護に取り組んでいるのかをもう少し知りたかった。テーマが難しいだけに、さらに一歩踏み込んだやりとりを次回に期待したい。

中島精隆