柴垣氏の危機感を共有したい~今、在名民放報道に必要なこと

  • 番組名:各局報道・情報番組
  • 放送局:在名民放各局
  • 放送日時:午後、夕方

世界中で猖獗を極めている新型コロナウィルス禍。各局ネットもローカルもほぼそれ一色の様相だ。現下、視聴者・市民が最も知りたいことだから、当然なことだろう。

先程、柴垣氏がコロナ報道での在名民放各局の地元の扱いを中心とした扱いについて注文がついた。この意見を共有したい。さらに、朝から晩まで、情報・報道番組入り乱れてコロナ報道をしている状況を冷静にみると、柴垣氏が指摘するように、在名局の「地元情報」へのこだわりが更に重要になってくる。これは地元で起きている事象を取り上げろ、ということではない。全世界的なこの100年で観たことのないような厄災について、全世界、日本全国のニュースを、いかにして「地元ごと」として料理し、視聴者に届けるか、ということだ。しかも「弱者」「生活者」の視点に立って。

私が先日3回に分けて夕方の情報番組を分析したが、その後も気にかかって毎日全局とはいかないが、ザッピングしながら観続けている。このところ思うのは、各局の午後の情報番組と夕方のローカル(一部ネットニュース)情報・報道番組の区別が付きづらいということだ。

確かにローカルでのコロナ関連の出来事は報道している。全国の出来事も報道している。しかし、全国・全世界のニュースがローカル的に消化されて視聴者に届けようとしているか、というとお寒い限りだ。

例えば、小池東京都知事がロックダウンについて言及したが、これが名古屋で起きたら何が起きるのか、なぜ小池知事は、外出自粛を呼びかけると同時に、買い占めは必要ないと横に流通の責任者を置いて安心も一緒に説明しなかったのか。自粛自粛で、飲食店やイベント会社、ライブハウスの経営はどうなるのか。政府が「経済支援」ばかり言及し「生活者支援」をまずいわないのは何故か、「お肉券」「お魚券」は今語るべきことか。ECOMSは愛知県に何台あり、行政はどうしようとしているのか。大村知事は割と積極的に情報を提供し、トリアージに供せる施設を作ると言っている。これはどういうことを指すのか、どのくらいの局が噛み砕いて解説したか。感染者の追跡や死亡者の情報開示はこの地方はこのままでいいのか。なぜ仁坂和歌山県知事や吉村大阪府知事はリスクをコントロール出来ていたのか、などをこの地方目線で分析するべきではないのか。

昨夜のBSTBS「報道1930」に豊明の藤田医科大学から湯澤医院長を生で結び、受け入れたクルーズ船の患者たちの様子からどういう医学的知見を得ることが出来たかを聴いていたが、こんなことはとっくに在名局がやっておくべきことではなかったのか。

また、先述のように小池知事が週末の外出自粛要請をしたことを受けて起きた首都圏の買いだめの様子を民放はさかんに取り上げていたが、在庫は十分あるというのに、こういう画を見せられれば、不安がない人も不安になるのがこういう時期の心理だ。人々がパニック購入をしているような光景は、放送しない、必要ならまず在庫はあると言ってから映像を使わずコメントで処理する、などの工夫をする局は出ないのだろうか。SNSで拡散されてしまうから、マスコミが抑えても無駄だ、というのは言い訳にならない。ほとんどの市民、特に年配者やお年寄りはテレビを表面的事象を信じていしまうのだ。そういう怖さをもったメディアを自分たちが扱っているという自覚はあるのだろうか。

こうして書いてきて分かることは、午後のワイドショーと夕方の情報番組の内容の差別がつきにくく、全部がワイドショーに見えてくる。こんなことなら夕方の情報番組はネットの丸受けでいいではないかとさえ思えてきてしまう。「事象」を言うのがワイドショーならこれに地域的特性を加味して分析を加え解説するのが「ローカル報道」だと思うのだ。

是非弱者目線・生活者目線で「ローカリティ」にこだわって欲しい。全国ニュース、あるいはCNNやBBCが伝えるようなニュースをローカルに噛み砕いて解説してみるという野心的な報道で、このいまいましきコロナ禍を乗り越えるチカラと知恵を視聴者に届けて欲しい(KING)