番組名 :「絶滅料理よ いざ復活!ロストグルメ2」
放送局 : CBCテレビ
放送日時: 2020年10月4日(日)14:00~15:25
今はなき絶滅料理を再現し、味わってみようという企画の第2弾を拝見した。
最初のお題は、明智光秀を出世させた妻による客人もてなし汁。恵比寿の料理人、笠原将弘氏が工夫をこらして当時の味に近づける。光秀の妻は自らの髪を売って食材を集めたというから決して当たり前のやり方ではなく渾身の味付けを試みたはず。稀にしか作らぬものが受けたのは、やはり彼女に特別な才能があったからだろう。笠原氏は、光秀の地元可児市の具材を集め、再現に試行錯誤。ぬかなどの入った五斗味噌を使ってみるもコクが足らない。そこで、鮎の焼き干しとイノシシ肉の出汁、さらに里芋のすりつぶしと蜂蜜を加える…成功。取材時に里芋のポタージュを味見させてもらったこともヒントになったようだ。光秀の妻が実際にどんな手を使ったかは不明だが、限られたもので最高の味を生み出そうとする心意気は同じだ。スタジオの感動もあり、納得の締めとなった。
二つめのお題は、マイケルジャクソンがハマったという豆腐ハンバーグ。日本ツアーでの専属シェフだった高谷敏雄氏苦心の作。マイケルはベジタリアンで主食は豆。おまけにスプーンで簡単に食べられるものしか好まないため、調理は難航を極めたとか。しかし、赤味噌や醤油の味付けがうまくいったというエピソードは面白い。こんなハンバーグなら今でも充分一流レストランで出せるのでは?(大人の事情をクリアできればの話…。)とにかく、こちらもネタ選びの妙と再現VTRの好演出で楽しめた。
また、昭和初期に洋食レシピを紹介していた「主婦の友」から驚き珍メニューを見つけ出し、スタジオで試食したコーナーも良かった。ある意味、この雑誌のチャレンジ精神を再認識させられた。
第3弾も期待したい。
中島精隆