CBC「○○に10万円を・・・」と中京テレビ「正月千鳥」で感じたネット単発の在り方

  • 番組名:CBC「〇〇に10万円あげたらこんな使われ方しちゃいました第6弾」
  •     2021年1月3日(日)16時~17時
  •     中京テレビ「正月千鳥」
  •     2021年1月3日(日)16時55分~17時50分

ちょうど同じくらいの時間に、CBCと中京テレビで全国ネットの正月単発番組があった。メ~テレでもネットではなかったと思うが「旅してゴメン特別篇 冬の琵琶湖」として11回目の正月スペシャルを16時25分から放送していた。

同じような環境の中、単発の全国ネット番組がこうして闘っているのだというのが垣間見えたので書いてみる。単発番組はレギュラー番組と違い視聴者になじみがないのでなかなか見てもらうことができない。そこでどう番組として見てもらうか、存在感を出すのか制作スタッフは考える。

「〇〇に10万円・・・」は6回目になる番組で続いているという事はある程度成功している番組なのだろう。フットボールアワーの後藤がMCで番組から進呈された10万円をどう使うかを密着していくVTRが中心の番組。温かい気持ちになったり、地域独特の特性などの知識がうっすらとわかったりする穏やかな番組だ。「いい話」を見せてもらえるかなという期待が高い。

一方、「正月千鳥」は初めての企画でかなりの冒険作。今年流行るまたは流行るかもしれないものを千鳥にいち早く経験してもらい今年のブレイクにつなげようとするスタジオ展開の番組。最初のネタは「異色肌になってもらいたい」というプレゼン。千鳥は抵抗するが、ケンコバの「ウッチャンもミモーマモーでバラエティで戦った」の言葉でグリーンとピンクの顔面化粧で現れる。そして番組最後までグリーンとピンクの顔で出演する。「チャンネルが止まる」という甘い囁きもあったので。その後も「濡れパンチパーマ」「設定のあるエアーギター」「剥かずに食べる」などきわどいネタがいっぱい。異種格闘技の空気感だ。つまり他の番組と大きな違和感を出すことにより番組の特性を出した。それを千鳥がケンコバ、吉村のサポートもあり地上波に乗る形にした。僕が好きなテイストではないが、違和感を出したことは間違いない。しかしその違和感を好む人たちがいる放送時間だったか、視聴率でわかるだろう。でもナイストライ。体育会系プロデューサーの蓑羽君の企画らしさがある。いつか「池の水を全部抜いたら」みたいなぶっ飛んだ番組を作ってほしい。

当然、「いい話」を穏やかにやっている「〇〇に10万円・・・」の方が視聴者層には安心してみてられる番組だろうなと思う。しかし、今回はコロナ禍の状況で海外ロケにもいけず苦労したと思うが、「いい話」がさほど深くなかった。「包丁店で務めている女性が自分オリジナルのこだわり包丁を作る」話と「自衛隊芸人がオシャレする」話。どちらも大きなエピソードはなく単調だった。「いい話」はストーリーがないと感動につながらない。なにか掘り下げが弱かったのが残念だった。ともかく単発の全国ネット単発は難しい。

柴垣邦夫