「復活!ロストグルメ~スターを救ったあの一皿~」(CBCテレビ・バラエティ)

  • 番組名:「復活!ロストグルメ~スターを救ったあの一皿~」
  • 放送局:CBCテレビ(全国28局ネット)放送日時:2022年10月15日(土曜日)午後2時~午後3時24分

CBCテレビ10月フルネット90分枠は、シリーズ4作目となる「ロストグルメ」だ。毎回結構楽しみにして観ている。この手のバラエティは(特にネットものは)同じタイトルの番組に対して視聴者にいかに飽きさせないか、に腐心する事は想像に難くない。「手を変え品を変え」4作目を迎えたということは、数字もそう悪くはないのだろう。料理ドキュメントのようなタッチで、歴史を訪ね、海外の有名人の一皿を訪ね、料理を再現してきた。要潤→要潤→加藤浩次と来て、今回のメインは前回サブだったジャニーズ、A・B・C~Zの河合郁人が努めた。彼は司会業に才能を発揮していて、最近は同局「ゴゴスマ」でMC石井亮次が夏休みのとき、代役を努めていた。CBCにしてみれば計算出来る進行役であり、しかも昨年の同番組を知っているという安心感もあっただろう。きっと彼は数字を持っているんだろう。彼は今回はネタの一人としても登場、脇をブラマヨ小杉が共同MCとして気の利いたツッコミを入れて河合を支えているので河合本人も制作陣も視聴者も安心だ。ネタゲストとして亀梨和也、デヴィ夫人、オチ役の大久保佳代子と並んだ。

さて、今回はどんな演出で楽しませてくれるか、と期待しながら観始めた。今回は日本のタレントにスポットを当て、これまでよりバラエティ色の強いものとなった。しかし、芯となるVTRの狙いはドキュメントタッチであり、そこにこそ、この番組の面白さが(意外性が)あるのだ。特に河合本人の思い出の一品は、高級料理でもなんでもない、いわゆるB級グルメであるのだが、河合の自分史と店の歴史が重なり、興味の度が増す仕掛けだ。かつてのように一流料理人が苦心惨憺して再現するのではなく、ほぼ素人に近い人達が一所懸命、河合のために復元に汗をかく。それ故に、それを食べた河合の涙が本物だな、と思え、観ている方の涙腺も緩むのだ。冒頭のこのコーナーでこの番組はラストまで引っ張れる力を得たといっていいだろう。続く亀梨和也の高級サンドイッチ、デヴィ夫人のモロッコ料理と、安心して観ていられた。これまでの3本も面白く観たが、今回の「手を変え品を変え」は当たりだったな、と感じた次第だ。ただ、残り時間を考えると、絶対オチ役だな、と思われた大久保佳代子のたぬきケーキは、大久保の出身地田原町まで出かけ、同地では名の知れたケーキ屋まで行きながら、スタッフがケーキを再現するという流れで、店主が語っていたことが本当なら、スタッフの作ったケーキの後に本職が作った本物をだすのか、店主が冗談を言っていたのかはっきりさせないとオチがオチでない状況になっていた感じを受けた。なんだかモヤモヤした感じが残ったのは残念だった。

さて、オチは残念ながら筆者として合格点を献上したい本作、来年パート5はあるのだろうか。ここまで「手を変え品を変え」が成功しているならば、是非新しい演出でタレントに頼ることのないアイデアを期待したいところだ。

ちなみにこの番組はPのみCBCで制作は大阪に本社を置くプロダクション、レジスタエックスワン。在名局にもCTV「オモウマい店」など、関係した番組を持つ。(KING)