「”太田石井の多すぎ日本GP”と”デララバ”・アムールドショコラ編」高評価の要素(CBCテレビ)

  • 番組名:「太田石井の多すぎ日本GP」と「デララバ」(アムールドショコラ編)」
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2025年1月25日(土)午後2時から。同じく2月5日(水曜)午後7時

本サイトで上記2本の高評価が続いた。筆者も観ていた。よく出来ていて面白いなと感じたので、どの辺に面白さの秘密があるのだろうと考えてみた。前者の特番はこの時期にCBCテレビが持っているネット枠。ここにローカルで成功している司会コンビを据えて、国内の「多すぎだろ!」と突っ込みたくなる様々な事象を集めて紹介、スタジオゲストが突っ込むという仕立てだった。司会の2人をみても作り方を見ても、「デララバ」チームが作ったことは明らか。一方レギュラー版「デララバ」の2月最初の放送は、今や名古屋での一大イベントとなった高島屋「アムールドショコラ」にスポットを当てて、その表側、裏側を時間を掛けて「濃厚」な取材をした好編だった。

両番組とも仕上がりが良く、レベルの高さを感じた。何故か。1つ1つのネタとしては驚くことはないのだが、その着眼点・調査力と、構成・演出力の賜物ではないかと思えたのだ。まず「多すぎ」の方は、柴垣氏も書かれていたように、よくこういうネタを12個も揃えたな、と感心する他ないもののオンパレード。(つかみの犬の散歩は少し弱かった)これをスタジオのメンバーが審査するというもので、審査委員長が太田光だ。回しは石井亮次。ゲストに黒木瞳、藤本美貴、速水もこみち、GENERATIONS・小森隼。また、“多すぎゲスト”として、=LOVE・齋藤樹愛羅が登場した。

スタジオゲストのネタに対する反応の挿入具合も適度で、「ネタの面白み」というテーマの邪魔をしていない。この手のバラエティはスタジオの反応が結構出来上がりに影響してしまうので、人選も挿入のタイミングと量もバランスが良かったのがネタの邪魔をしない(あるいは盛り上げる)心地の良さを生んだのだろう。

一方レギュラー版「デララバ」のアムールドショコラ編は、これまでの手法を活かし、時間を掛けて深堀りに成功し、各局夕方のニュース情報番組で取り上げまくっている中、「またか」と思わせないネタ(人物)のセレクトとアプローチ・構成の面白さで引っ張った。筆者は特に昨年初登場して即売り切れたパリの一つ星レストラン「ラルケスト」の、このイベントに賭ける熱気の追跡に注目した。常連、名古屋の「カフェタナカ」田中シェフのこだわりなど情報番組では出来ない取材時間を掛けて深堀りし、それが成功しており、番組に厚みと重みを与えていた。またオープニングの行列や高島屋のイベント開幕までの担当者の緊張感などからスターシェフらの、特にこのイベントのきっかけとなったシェ・シバタの柴田シェフ(最近やりすぎの雰囲気もあるが)の思い、先述した「ラルケスト」へと流れていく構成も飽きせせなかった。こうしてみると、各局触り尽くしたネタであっても着目点と構成さえしっかりしていれば十分に使えるのだなと改めて感じた次第だ。ちょっと褒めすぎたかな。いずれにせよ現場の努力に敬礼しよう。

ところで東海テレビ「おしろツアーズ」。これも城からお寺、神社と取材対象を変化させていはいるが、全体の構成は変えておらず、私は城好きだから興味を持って見たが、ネット番組として「安定のフォーマット」を目指すのか、構成を見直し、そろそろフォーマットの変更をするのか迫られる時期になっているのではと感じたのだった。(KING)