「トガリビト 熱量に、ふれる(第8回)」(CBCテレビ)

  • 番組名:「トガリビト 熱量に、ふれる(第8回)」
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2026年3月7日午後5時~午後5時30分

筆者が、「まだか、まだか」とここで言っていた女性のトガリビトが遂に登場した。静岡県沼津市は県下の駿東~伊豆地区に位置し筆者が育ったエリアなので親近感が持てたのはおまけだが、全編を観て強く感じたことが一つあった。それは、女性だからなのかどうか分からないが、これまでの男性トガリビトたちは、前掛けにせよ、酒屋にせよ、ピアノにせよ、ダウンジャケットにせよ、家業が根本にあり、それを受けたうえで彼らなりのゼロからのスタートであったのに対し、今回の青山沙織さんという女性は創業家の跡取りでは無く、兵庫県の生まれで沼津とは何の縁もない状態で深海魚の世界に飛び込んでいる。創業家の跡取りではない。その彼女が戸田(へた)に住むことになり、日本で一番深い駿河湾ならではの深海魚に注目して何をしたのか、何をしようとしているのか、が番組では語られた。

彼女の活躍を番組を通して観ていると、女性ならでは、なのだろうか右脳と左脳の差なのであろうか、とても水平思考的であるのだな、と感じたのだ。これまでの男性らはゼロから物を生み出すという垂直思考的行為だったが、彼女の場合は「深海魚」という既に形のあるものをどうしたら良いのかを考え、横にどう展開していくのかを(意識せずに)考え行動した。番組から見えることは彼女の人間関係構築力と人集めの企画力。ソフトウエアのチカラとでもいえるかも知れない。これまで7回登場したトガリビトたちは物理的に目に見えるものを作った。彼女は売り物を作るわけではないのだ。そのあたりの柔軟な発想が男性にはないものなのかもしれないなあ、と思い観ていた。ただ、どのトガリビトにも共通するのは想像力、発想力の豊かさだ。そして人間的な魅力

戸田の漁業関係者が黙って見ていられない状況にしていく。そしてトガリビトに共通するコロナ禍の襲来とこれを逆バネにする発想力。深海魚の中には網にかかるものの食べられずに捨てていたものがあった。これに彼女は注目した。そしてこれらの深海魚を「ヘンテコ深海魚便」として売りに出した。するとイベントで、画家が、創薬研究者などが手を挙げる。綿密なマーケティングリサーチをしたわけではないのだが、世の中には捨てる深海魚を欲しがる人たちが少なからずいるということを彼女は直感的に分かっていたのだろう。

今回の番組は人物のストーリーが面白かったからか、画作りに凝るよりストレートに人物描写をしたのが逆に人柄が浮き出て良かったと感じた。次回は6月と予告があった。改編を乗り越えたようだ。まだまだびっくりするような「トガリビト」に会える楽しみは続く。(KING)