- 番組名:「○○に10万円あげたらこんな使い方されちゃいました」
- 放送局: CBCテレビ
- 放送日時:2019年1月3日 午後4時から90分番組
HPによればこの番組は2015年秋からTBS系11局ネットで始まったもので、5作目となる今年は正月に格上げ?され28局フルネットとなった。どんな事情があったか知らないが、制作者としてはチカラが入ったのではないか。司会はフットボールアワーの後藤、タレントの佐藤栞里、スタジオゲストに中尾彬と岸優太(King&Prince)、それにフットの岩尾がひな壇側に回る。一般市民に10万円をあげたら何に使いますか、というリサーチをし、スタッフが、これは、というネタを決めて取材、その人の10万円の使い方を紹介しながらスタジオがコメントを加えていくという構成。
「10万円消費ドキュメントバラエティ」と謳っているとおり、スタッフが見つけてくる10万円の使い方は、真面目なもので決してふざけたものではない。この当たりのネタぎめが番組の出来を左右する。行く場所は2018年に話題になったところ、というこだわりも持ちつつ、一番目は世界文化遺産に認定された長崎県の五島へ。ここではブランド魚を新鮮に保つため、神経や血を抜く「五島〆(ごとうじめ)」に使うチタンのワイヤーを作りたいという漁師に使ってもらうことに。当然ここに至るまでにはバラエティっぽい様々な愉快なキャラクターや情報が入った前段階の挿入がある。リサーチに1週間かけ決めたというからそれまでのインタビューに美味しいネタが複数集められただろう。五島には映画館がなく、フェリーで往復8時間かけないと映画が見られないから映画館を建てたい、という高校生の話題も、膝を打った。二人目は去年のサッカーワールドカップで日本と対戦したセネガルへ飛び、当地では現地で10万円の価値がある半額の値段で使いみちを決める。踊りに使う民族楽器の太鼓「サバール」購入の顛末、三番目には2018年ノーベル医学賞本庶佑氏の母校、京都大学で、キリンの「メタ認知」に関する研究に使いたいという学生に使って貰うことになる。
いずれのネタにも番組内でも言っているように1週間の聞き込みをした、という。秋に放送のころは90分に4人を取り上げていたが、今回は3箇所3人に絞り、取材に時間を掛け、VTRの中身を濃くした。その結果、情報にも厚みが加わり見応え、新鮮味もあった。CBCは昔からこういう「面白真面目」をやらせるとうまい伝統があるようだ。特番ではなく、ゴールデンのレギュラーとしてもやっていける企画ではないかな、と思いながら見終えた。
一つだけ言わせてもらえれば、VTR中にスタジオゲストの顔を抜いて窓にしているが、ずーっと出っぱなしである必要があったかなあ、という疑問はあった。出すなということでなく、必要に応じて機を観てヒットアンドアウェイしたほうがVTRに集中できるのではないか?(KING)