「○○に10万円あげたらこんな使い方されちゃいました!第5弾」(CBCテレビ:バラエティ 2020/1/3放送)

  • 番組名:「○○に10万円あげたらこんな使い方されちゃいました 第5弾」
  • 放送局:CBCテレビ(全国フルネット番組)
  • 放送日時:2020年1月3日(金曜)午後4時30分~午後5時30分

番組の最後にゲストのデヴィ夫人がいみじくも語っていた。「びっくりしました。感動する番組でしたね。なんかもっと、ねえ? 詰まらないと言っちゃあ申し訳ないのですが・・・。」この番組の持ち味を言い得て妙だった。

もう第5弾になる、この「10万円消費バラエティ」。実は人間ドキュメントなのだ。1~3までは秋の特番として90分番組として放送され、昨年から正月の全国ネットにめでたく格上げ?となった。但し1時間番組となった。

去年のこの番組も書かせて頂いたので、今回は見送ろうかと思っていたのだが、制作局側からいうと「撮れ高」が良かった、視聴者からは「見応え」があったから再度書こうと決めた。

昨年は1時間番組に3つの話題を取材した。今回は2つにした。冒頭の線路の両脇ぎりぎりまで屋台が並ぶことで有名なメークローン線で、列車が通る時に屋台を引っ込めるために台座にレールを付けたいとうのは「ツカミの小ネタ」というカウントでいいだろう。

大きな2つは「タイでボランティア市民警察のバイクに赤色灯やサイレンを付ける」というパートと「9年間口を利かなかった兄弟の仲直り」。それぞれ20分ほどのパートのドキュメントにまとめられ、それぞれが見応えがあった。特にタイのボランティアの男性はこのところ「日本人、日本製品凄いだろう!」(この手の番組、筆者あまり好まない)番組が溢れる中、東南アジアで頑張っているいち市民を取り上げたすがすがしさを感じた。

さらに五島列島の兄弟。ゲームカードが原因で9年間も口を利いていない。兄を東京のインタビューで捕まえた。なんと去年もネタで取り上げていた五島列島の出身者だ。20歳の美容師さんなのだが小6の時2歳年下の弟と喧嘩をし、以降9年間口を利いていないという。10万円で喧嘩の原因となったカードを始め仲直りのグッズをいろいろと購入し、五島に帰省した・・・。これも20分に及ぶコーナーとした。対面のシーンはなかなか感動で、取材スタッフも号泣していた。笑いと感動が上手いことミックスされたシーンだ。

録画で見ようとしていたが、放送時に引き込まれて観てしまった。それだけ番組にチカラがあったという事だろう。去年の3つのコーナーを2つにしても全然間延びした感は無くむしろ引き締まった感動バラエティとなった。但し去年も書いたがスタジオの顔をVTR中ずっと出しっぱなしにしておくのは如何か。出すなとは言わないがメリハリを考えたらどうか。このワイプ、最近のバラエティや情報番組で制作側の強迫観念のように切りっぱなしになっている。VTRの中身によってはワイプを外しておいたほうがいいところもあるのに。

さらにもう一つ。ヤクルトのCMでデヴィ夫人をスタジオで使い、この番組に特化したものを放送していた。最近はやりのスタジオ番組出演者タイアップのCMだ。ザッピングを避けさせる工夫だと思うがテレビ局も苦労している。

スタッフが2ヶ月間日本全国をインタビューして歩き(本当だろうと信じる)ネタを集めたというから、その努力を裏切らないネタが集まったということだろう。来年もここに書きたくなる第6弾を期待したい。(KING)