- 番組名:「〇〇に10万円あげたらこんな使い方されちゃいました!第5弾」
- 放送局:CBC
- 放送日時:2020年1月3日(金)16時30分~17時30分
KINGさんの投稿に触発されて録画を早速見ました。昨年も正月に全国ネットで放送した番組第4弾をKINGさんは書いたので今回は見送ろうと思っていたが、撮れ高が良かったので書かずにはいられなかったと言うのを見ないわけにはいかないですものね。
KINGさんの言うとおりだ。もっと言うと「撮れ高が良い」という前にとてもネタ選びが良い。そしてネタ選びができる調査の充実。日本でのリサーチは2か月全国各地で行われ「10万円をもらったら何に使うか?」聞きまくったよう。過去の番組でもそうだったろうが、今回も渋谷で見つけた15才のかなりイマドキの女の子が10万円で親に今までいっぱい迷惑かけてきたから恩返しに洋服のコーディネートをしたいと言っていたり、札幌の人が沖縄に行きたいとか名古屋の自転車マニアが新たな自転車で海外に行きたいという世相やドラマを感じさせる回答をいっぱい持っている。そして選ばれたネタが日本篇では五島列島出身の20歳の美容師の兄がケンカして9年間口をきいていない弟にケンカの原因になったカードゲームのカードを返して謝りたいというネタに行き着く。そして謝りに行く一部始終を番組は追っかけていくわけだが、その撮れ高が良いのだ。
タイ篇でもリサーチでは、メークロン線路市場の両横に連なる出店の女性に聞くとイカの置く台にレールをつけたいとか、歯がないおばあちゃんが寺に寄付をして徳を積むとか、17才の日本の少女コミックが大好きな女の子が株を買うと言ったり、面白そうなネタが出てくる。そしてボランティア市民警察のバイクに赤色灯やサイレン、無線をつけて人助けをする青年のネタにつながっていく。そして、撮れ高が良い取材の入っていく。丁寧で徹底しているリサーチに間違いはない。そのネタへの向き合い方が素晴らしい。ただ、たくさんの人に聞きまわったんだろうからそのフォローはどうしたのかなと少し心配。NHKの「鶴瓶の家族に乾杯!」のようにENDで他に取材した人の顔写真を出しお礼を言う配慮は見ている人間をホッとさせる。テレビのやり逃げは慎まなければいけないから。この番組がそうだと言っている訳ではなく杞憂かもしれないが、いつも気になる事だ。
スタジオセットを美術さんが10万円で作ったり、主人公の美容師がお母さんの髪を切る横でスタッフが髪をセットしてもらうなど遊びもいろいろ、楽しんでいる。コメンテーターのデヴィ夫人が最後に「こんなに感動する番組だったんですね、もっとつまらない番組だと思っていたのに・・」といったのが最高の祝辞。丁寧でよくできた番組でした。
制作協力会社のレジスタX1とあったので調べてみたら、関西を中心の制作会社で「〇〇に10万円を上げたらこんな使い方…第3弾」で2017年の関西ATP賞のグランプリを受賞されてみえました。もうとっくに評価されていたのですね、勉強不足でした。
柴垣邦夫