- 番組名:名古屋行き最終電車2021 寺島進のラーメン人情話
- 放送局:メ~テレ
- 放送日時:2021年2月14日(日)23時55分~(30分)
何年も続くメ~テレ毎年恒例の名物ドラマ全5話を見た。
HPには「名古屋行き最終電車第9弾、2012年から続く1話完結のオムニバスドラマ。1年に1回のつづきの物語が展開しています。今回お届けする5夜連続の5つの物語も登場人物が昨年から一年経った設定で展開しています」とある。
毎年全話見ていたわけではなかったのでそういう事かと思ったが、5話のドラマの質やターゲットがばらつき大きく戸惑った。以前からのイメージでは故大杉漣さんのラーメン屋さんが舞台のドラマや電車オタクである六角精児さんの電車にまつわるエピソードが印象に残っているが、今回もこの2話が秀逸であった。(故大杉漣さんは寺島進さんに代わっている)
第1話の放送時間に東北の地震がありその報道特番に代わったため、翌日の日曜に第2話である「寺島進のラーメン人情話」からスタートした。出鼻を挫かれた感もあるが、僕の中では先ほどの評価なので第2話からスタートしたのはむしろ良かったと思う。
さて第2話についてである。
神宮小路にあるラーメン店「えん楽」の店主昌平(寺島進)が仲間の「清楽」店主(波岡一喜)の助けもあって
客の小学3年の男の子がシングルマザーの母親の誕生日会を開きたいという思いに応える人情話。
波岡扮する店主が弟子に恋人をとられた失恋話や赤ちゃんの重さを麺の重さに例えるラーメン店主の一言、ほのぼのとしたエピソードが続きドラマの安定感がある。
番組終盤に寺島扮する昌平が3月15日に誕生日を迎える69歳の師匠に電話し、誕生日を祝い感謝を伝える。きっと69歳の師匠は以前欠かさず出演していた亡き大杉漣さんだろう。しかし、何故3月15日だったのだろう?放送日は2月14日深夜だったし、大杉さんが亡くなったのは2018年の2月21日だったし、誕生日も違う。スーパー表示までした
3月15日に何か意味があったのかと勘ぐってしまう。
それはともかく、大杉さんの跡を継いだ寺島さんや神道監督をはじめとするスタッフの大杉さんへの敬慕を感じ、
僕ら視聴者も温かい大杉漣さんの顔を思い出す。この番組も温かいドラマだと感じた。
夜間のロケシーンが多い中、画質がぴったり活きているのも印象的だ。照明も頑張っているし、VEたちスタッフも頑張っている。長年続いている現場でドラマ愛が強く質の良いスタッフが育っているのだろう。やはり続ける意味はスタッフの育成という意味でも大きいですね。ぜひ、続けていってほしい。
ただ、電車はカットバックに出てくるだけでストーリーには関係しない。駅前の商店街が舞台という事でいいのだろう。ただ、全話あまり名古屋行き最終電車が関係していない。何話か意識して作ってもいいのかなと思う。
柴垣邦夫