秋山歌謡祭2024

  • 番組名:秋山歌謡祭2024
  • 放送局:メ~テレ
  • 放送日時:2024年3月22日(金)23時15分~(1時間5分)

昨年に続いて「秋山歌謡祭」が放送された。以前中京テレビ「オモウマ」の笠井君と北山君を取材した時、「最近やられたと感じた番組ある?」と聞いたら二人がこぞって名をあげた番組だ。僕も言われた後でYouTubeで見たが面白かった。何より秋山からメモ少年とあだ名された企画者でありプロデューサーの篠田直哉さんの「秋山愛」が満ち溢れ、TVディレクター業を心底楽しんで作っている熱量に感激した。彼はロバート秋山を学生時代からおっかけ、ライブがあれば最前列に陣取りメモを取ったという執念のディレクター。昨年メ~テレ60周年を機に念願の「秋山歌謡祭2023」を作ったのだ。

「2024」は事前準備が周到にされていることをまず褒めたい。

歌唱演出をど派手にするため視聴者である秋山オタクからのクラウドファンディングで529万円を集め、一曲目の「TOKAKUKA」の様々な演出に使った。また、「思春期の子供の目つき」をテーマにした楽曲のために中学を訪れ若者の目元映像を手に入れに行き、楽曲に生かす。また、ローカルCMを何社かにそれぞれに合わせて制作。そして楽曲「願い」のために一般の人から「願い」を募集、相当数の願いを楽曲に入れ込んだ。

去年の番組は反響が大きく、YouTubeの総再生回数が3000万回を超えるという圧倒的な反応。

番組終えてすぐに続編の企画書を出し備えていたというから弱冠27才にしてエネルギーみなぎる野心いっぱいのテレビマンだ。だから時間のかかる準備ができていた。

その熱意にこたえて秋山もかなり楽しんで番組に向かっている。彼はもともと自身の才気を全力で表現するタイプ。1曲目の「TOKAKUKA」という彼の代表作以外はおそらくこの番組のために作った楽曲。これもかなり手間のかかる作業。熱意と準備がうまくはまった良い番組だ。秋山にしても追っかけだった少年がTVディレクターになり秋山の番組を作るなんて考えられない奇跡だから、きっとうれしくてやっているんだろうね。

でも一番笑えたのは番組最後の秋山熱唱の後の「このスーツ でかすぎませんか?」という一言。視聴者たちから集めた数々の「願い」を朗々と歌う秋山はタキシード姿。それがかなり大きく、「大相撲の理事長のよう」「太ってた人が急にやせた時のよう」。次はもう少し小さくしてほしいという願いに爆笑。

これは狙ったものではないだろうが、これがローカルの笑いでもある。

また来年に向かっていろいろな知恵を考えるでしょう。期待している。

そして、篠田直哉プロデューサー。インタビューしたいので連絡いただくようお願いします。

柴垣邦夫