- 番組名:巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会
- 放送局:TBS全国ネット
- 放送日時:6月3日(月)20時55分~22時57分
ご存じと思うが、中京テレビが深夜の全国ネット番組として3月末まで放送していた「それって実際どうなの課」が6月3日TBSのゴールデン枠でほとんど同じ形で放送された。MCの一人だった生瀬勝久をはじめ検証するタレント、番組コンセプト、企画、多くのスタッフが一緒だった。企画兼プロデューサーは4月末で中京テレビを退社しこの番組を制作した。
大きな話題になった要因の一つは「似てる」番組ではなく「ほぼ同じ」番組だから。なんたって番組タイトルが「それって実際どうなの会」となり「課」が「会」になっただけ。
地上波でやってた番組が系列の動画配信で引き継がれることはままあるが、地上波のキー局に引き継がれることはまずなかったからだ。地上波向きではないコンテンツと判断されたが、コアな面白さがあって動画配信として生き残るケースはあった。そこには番組が地上波向きか動画配信向きかという判断。
しかし今回は5年ほど続いてきたけど中京テレビでは継続するに足りず(表現が大げさかな?)と判断された番組がTBS編成はまだ番組は成立するという判断をしたという事。各局のタイムテーブル事情が違い編成状況が違う中での今回の事例。
ある方が言った「プロ野球の自由契約と似ている」という指摘は的を得ている。ただ、今までは「番組の自由契約」はほとんどなかった。「制作権」あるいは「製作権」をたてに他局に番組コンテンツをまんま渡すことは業界の常識としてなかった。
僕らの世代のテレビマンは「倫理観はどうなっている」とか「局員の矜持」とか言ったりする。しかし、まだ放送する価値があると信ずる制作者は局都合で番組が終了することに強い不満を持っただろう。そしてそこに編成したいと言ってくれる放送局があったら、「ありがたい、やってみたい」と思うことは当然と思う。
番組コンテンツのあり方として新しい道筋ができたように思う。この番組の放送がうまく続くことで新しい道筋が普通のことになっていくのではないか。少し新しい時代を感じる。そういう意味でも健闘を祈る。
柴垣邦夫