- 番組名:「’24~’25年末年始特番を観て」
- 放送局:在名民放各局
- 放送日時:2024年年末~2025年年始
世の中は中居正広氏の問題行動を巡りフジテレビ港社長が行った記者会見が日に油を注いでしまい、連日報道が繰り返され、その話題でもちきりである。筆者も、港社長のあの記者会見はありえないと感じた。このことについては稿を改めて書くこともあるかもしれない。
さて、昨年も書いたが在名各局の昨年末から今年年始にかけての特番を観た感想を思いつくまま書いてみたい。
12/28「ようこそ運ダーランド」(東海)、12/30「発掘!まちの金メダリスト」(メ~テレ)、12/30「義足がくれたのもの」(東海)12/31「テレメンタリー2024スペシャル 消えない波紋」(メ~テレ)、12/31「10万人にきいたら地元のスゴイもん見つけちゃいました」(CBC)、1/1「わが子は誉~老いていく男の子と家族の16年~」(メ~テレ=東日本放送)、1/3「愛知トヨタ90周年スペシャル 夢の1Day パス」(メ~テレ)、1/3「ウチのゴイスー学園」(中京)、1/4「駅弁闘 伊勢vs飛騨 ローカル線を旅して最強の駅弁を作れ!」(東海)、1/5「ようこそ~家族のかたち~」(東海)、1/7「道との遭遇 特別編 能登の道」(CBC)、1/8「デララバ 東海3県年越しの瞬間に密着生放送2時間スペシャル」(CBC)、1/8「やりかたのウタ」(中京)、1/12「メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない~木本事件の99年後~」(メ~テレ)。
年始特番といえないものもあるが、全部で14本を観た。リアルタイムで観たものはない。すべて録画での視聴であった。気にしたのは普段観るチャンスがないメ~テレの特番を中でもドキュメンタリーを観たいという趣旨で、新聞記事などに気を付けて録画した。軽いエンタメからドラマ、重いドキュメンタリーまで比較をすべきものでもないが、観るのがしんどかったもの、思わず引き込まれたもの、なかなか楽しかった。
エンタメでいうと、各局続編が多く、新鮮さを感じられない中、中京テレビ「ウチのゴイスー学園ーにっぽん全国愛する母校の自慢集めましたー」は全国の高校の中からユニークな授業、校長、学食、トイレ、学園祭などを集め紹介し、スタジオのダイアンや武藤敬司らがイジるもので、特に目新しいことはしていないのだが、取材対象の目の付けどころが面白く、楽しく観た。また、レギュラーの特番化である「道との遭遇 特別編 能登の道」は、レギュラーの道マニア岐阜出身の鹿取茂雄さんの知られざる一面と、被災地にとって道がどんなに大切かを改めて知る機会を提供してくれて、好編であった。レギュラーでは独特の押しつぶしたような声がユニークなナレーションの浅野真澄さんが普通の声でナレを付けていたのも新鮮であった。レギュラーのスペシャルでは「デララバ」の東海3県の年末年始スペシャルも面白く観た。よく取材できていた。筆者は白川村の若者たちが印象的だった。ただ河村たかしは必要だったかなあ、と感じた。
ドラマは東海テレビの一本「ようこそ~家族のかたち~」だけだったが、年始恒例となった御当地ドラマも地元とのタイアップを明確に、今年は市制70周年記念番組として愛知県江南市が舞台となった。内容はどっぷりとローカルで、むしろ吹っ切れた潔さが気持ちよく、アイドルグループでドラマ初主演だという瀬口黎弥が心配だったが、意外やなかなかナチュラルな演技で良かったと思った。毎年あの手この手とドラマに仕立てる苦労はあると思うが、また来年が楽しみだ。
気を付けて番組を拾ったメ~テレのドキュメンタリー、期せずしてテレ朝、東日本放送、そしてメ~テレと三様の番組を視聴できた。ネット番組は昨年の事件や事象の振り返りで、忘れてはいけない事柄を改めて視聴者に焼き付ける役目を果たしていた。メ~テレ制作の「掌で空は隠せない」は昨年の「地方の時代映像祭グランプリ」受賞作に追加取材を加えての放送だった。受賞作は見逃していて、ずっと観たいと思っていた番組。今から約100年前、三重県木本町(現・熊野市)で、トンネル工事に従事させられていた朝鮮人二人が町民に集団で襲われ殺害された顛末と現在に至る経過と現在を丁寧に追ったもの。地味な作品だが、若い世代が「不逞鮮人」の言葉をキーにしてこの多様化、国際化の時代に日本人は外国人とどう向き合うべきかという課題を改めて考えさせられた秀作。また東日本放送の「わが子は誉~老いていく男の子と家族の16年」は、昨年「テレビ朝日系列24社の番組審議会委員が選考する『第30回 PROGRESS賞』の最優秀賞受賞作だ。普通の人の5倍の速度で老化する難病の誉くんとその家族を10数年に渡り記録した力作で、もう誉くんはこの世にいない中、観続けるのは辛かったが、家族愛の素晴らしさに胸が熱くなった。
というわけで、思いつくまま書いたが、年末年始生放送も含め現場の皆さんの頑張りにお礼をいいたい。そして今年もアイデアを凝らした多くの力作、秀作を期待している。心身に十分気を付け張り切って番組を作って欲しい。筆者も張り切って観せていただく。(KING)