フィギュアの謎100Q~ニューヨークVS元日本代表

  • 番組名:フィギュアの謎100Q~ニューヨークVS元日本代表~
  • 放送局:メ~テレ
  • 放送日時:2024/10/04

メ~テレはなんだか今、面白そうだ。

中日新聞10/2の記事でこの番組を知り視聴した。
フィギュアスケート元日本代表だった横井ゆは菜さんがテレビ局を
セカンドキャリアとして選び、入社したメ~テレでイベントコンテンツ部
に配属されたこと。
社内の企画募集で自身の出演する番組を企画した経緯が紹介されていた。
記事ではセカンドキャリアに悩むスポーツ選手たち、という切り口の
提起もなされていた。
テレビ局OBとしては社内での企画募集という手法が番組として
成功するには高いハードルがあるという印象があり、視聴に臨んだ。

番組は予想を遥かに上回り、とても面白かった。
スケーターとしての体験に裏打ちされたバラエティ溢れる100のクイズの
面白さ。
回答者である実力派お笑い芸人のニューヨークが番組を楽しんでいた。
それはクイズの面白さと、自らフィギュアスケーターとして滑りながら
出題し、番組のMCとして進行もやってのけた横井さん本人の
キャラクター、タレント性そのものだった。
結果として、番組の企画意図である、フィギュアスケートの魅力が
伝わってきた。

オーソドックスな問題、経験者ならではのトリビア的なもの、裏話的、
ばかばかしく笑わせるものや、彼女のパーソナルな話題に関わるもの、
と硬軟取り合わせた問題設定。

正解の見せ方も資料映像や文字だけでなく、スケーター、つまり横井さん
自身が実演してみせることで、単純なリズムに陥らぬ工夫と演出。
スピンしても目が回らないというスケーターの特質は以前、安藤美姫が
回転椅子で実演したものを視聴したことがある。
今回は更に一ひねりして、いつもと異なる逆回転ではどうなるかという
疑問にも彼女の実演で答えてみせた。

100のクイズ、問題と正解。放送枠にどうはめ込むか。番組をどう編集
するかという基本的な判断をニューヨークに任せるという演出。
更に、放送から外したクイズをロキポで配信するという。
この設定を番組の始めにニューヨークの二人に告げておく。
どのクイズを外すか、という決定権を持つことで、ニューヨークも遊ぶ
ことが出来る。クイズ番組では普通、芸人としてのトークを活かす
チャンスは少ない。彼らもこの設定にノッテ、MCとのキャッチボールを
楽しんでいた。

「横井ゆは菜は芸能人の誰に似ているか」というクイズの問題だけが
何度も繰り返し放送され、答えは放送されなかった。
私もきっちり演出の意図にはまり、ロキポを視聴して答えを知った。
再放送的な配信だけでなく、こういう付加価値を与えた配信もグッド
アイデアだと思う。

制作協力に「ROFL」という東京の制作会社の名があった。
その会社の社長である倉田敬之氏の名前が総合演出となっていた。
番組の内容から手練れの演出の存在は間違いないと感じられた。
もちろん、メーテレのスタッフも多く、参加しているものと思う。
私は名古屋のスタジオで出来るだけ地元スタッフによる制作に
拘ってきた。色んな制約はあると思うが、どういう環境の中でも
ぜひ吸収して、これからの地元制作に活かしてほしいと思う.

メ~テレでは「秋山音楽祭」という異能のディレクターの企画による
ユニークな番組が成立している。
今回は横井さんという稀有なキャラクターが現れた。
二人の企画を実現する社内風土がこれからの可能性を感じさせる。
楽しみだ。

澤田