メ~テレ 千原ジュニアのリアル近現代史「100歳さんに聞いてみた」

  • 番組名:千原ジュニアのリアル近現代史「100歳さんに聞いてみた」
  • 放送局:メ~テレ
  • 放送日時:2019年10月6日(日)14時55分~

100歳近くのお年寄りに生きた近現代史を聞くという事は意味があると思い、MCも千原ジュニアだし期待して番組に臨んだのだが、残念ながら期待外れに終わった。

僕は100歳の人に生きた近現代史を聞くという事はどうして意味があると思ったり、面白いものが出てくると思ったのだろうか?そこには「へえ~」があったり、その時代の生活感があったり、楽しい人生を過ごして見えたなと思うエピソードがあったりということを期待したのだろう。そうした期待に応えたお題ではなかったようだ。いや、お題が悪いわけではない、お題への迫り方、これを調べたら何が浮かびああって来るのかという想像力が足らなかったと思う。

「喜劇王チャップリンと会ったことがある人を探せ」というお題では、2度岐阜に遊びに来たチャップリンの足跡を探すわけだが、そもそもチャップリンが2度岐阜に来たことが面白いことなのか?2度の岐阜滞在はチャップリンにとってどうだったのか、何もエピソードもないしチャップリンの人となりも浮かんでこない。世界の喜劇王として名のある人というだけ。そこには親しみも共感もなく、大体チャップリンはどういう人だったと解説もない。その上で、チャップリンを探しても興味を持つことや感情移入はできない。チャップリンは鵜飼を気に入って2度長良川に来たわけだが、どうして鵜飼に興味を持ったのか?教えてもらう必要がある。人間味が出てこないのだ。まずお題になる人のエピソードがないと、レポーターもスタジオも展開しにくかっただろう。「伝説の投手 沢村栄治」も同じこと。ただ、会っただけの人を探して、100歳さんに話を聞いても展開はない。

100歳さんを取り上げるときは、人生を感じさせる良い表情が大切でしょう。それは「ダーツの旅」などでお年寄りが言う一言や表情がとてもチャーミングなように。取材のとき撮る側にその愛情が足らないように映った。だったら、どうして100歳さんを扱ったんだ?番組の道具としてお年寄りを使うことは拙いのでは。

こういう企画は、やってみないとわからないことも多い。面白い実例をまずは貯めた上で、企画書にするといい。残念ながら、今回は具体的な事例がない企画書で作っちゃいましたね。

柴垣邦夫