「工場へ行こうⅢ 世界に誇る!岡崎のヒット商品SP」(テレビ愛知・教養)

  • 番組名:「日経プレミアム 工場へ行こうⅢ Amazing Factory 世界に誇る!岡崎のヒット商品SP」
  • 放送局:テレビ愛知
  • 放送日時:2023年8月5日(土曜日)午後2時20分~午後3時30分

テレビ愛知が長く放送している番組、ほどの知識しかなくて、岡崎の花火生中継にくっつけて編成された本作を「大人の社会見学」のノリで観てみた。改めてWikipediaを参照すると、この番組は2012年からもう10年以上放送され、東海地方の多くの企業が取り上げられてきた。それだけこのエリアでものづくりが盛んであることの証でもあるのだな、と改めて思う。

さて、この回では岡崎の巨大回転鍋を製作する「服部工業」の小豆坂事業所を訪ね、その製造工程を追うパートと、玩具花火「ドラゴン」で知られる太田煙火製造所等の花火パートの2つから構成されていた。それぞれの光景が個人的にはとても珍しく、尺玉の「星」の製造工程(磯谷煙火店)も含め大変興味深く見せてもらった。まさに「社会見学」だった。また「服部工業」の回転鍋は世界トップシェアを誇り、最近は海外にも販路を広げているという。一枚のステンレス板から鍋ができて、それが回転する仕組みとなるまでの工程を見せてくれるのだが、オーソドックスな構成とナレーション(平泉成)がむしろ淡々としていて、こうした番組にフィットしている。花火のくだりでも、山奥に建屋が離れて点在する理由から、あまり見る機会のない玩具花火の、まさに職人芸ともいうべき手作りの工程も興味津々だった。徳川家康の領地だったが故に岡崎が火薬を扱うことに対し緩やかでそれが今日の花火産業の隆盛に繋がっているという事も昨今の家康ブームの知識の1つとして面白い事実だった。花火の「星」を作る回転鍋が服部工業」製であるという岡崎繋がりのオチもよろしい。工場見学は面白い。特にB to Bの会社が作るもので私たちの生活を影で支えているような製品を作る工場は普段知ることがないので強い興味が湧く。

ものづくりに関する番組やコーナーはこの地方の放送局ではその土地柄、よく見られるが、番組としてここまで長く続けられるのは経済新聞系の放送局ならではの姿勢と、やはり東海地方がものづくりの盛んなエリアであることが大きい。県域局ならではの特色が生きた「教養」番組だ。これからもちょくちょく観てみようと思う。(KING)