昭和世代にドンピシャ。THK「タイチサン!~ガイドブックでタイムトラベル~」

放送日時:2023.9.24(日)正午~
放送局:THK
番組名:「タイチサン!」

僕たちは学生時代「ぴあ」でコンサートの情報を漁り「名古屋街の事典」で面白そうな洋服屋さんや喫茶店を知りました。そして、いつかは行ってみたいと「地球の歩き方」で海外旅行の予習をしたものです。ところで昔訪れたあの店たちは、いったい今どうなっているのでしょう。というわけで「名古屋街の事典」を片手にめぐる今回の企画は、中年(初老?)世代にドはまりなのでありました。(この貴重なネタ本を保管していたスタッフに敬意を表します。)

かつて東区泉にあったアメカジショップ「スミス」には味わい深い輸入品が溢れ、若者を魅了しました。少し遅れて近くにできた「ハリウッドランチマーケット」も同系列らしいですが、両店で手に入れた継ぎはぎだらけのジーパンを僕は今も大事にしています。リポーターの井戸田氏は、聞き込みで現在の「スミス」(中区大須)にたどり着き、大興奮。その気持ち、よ~くわかりますよ。

収録の打ち上げでしばしば使わせていただいたのは、中区新栄の「やまちゃん」。当時、店内の壁はミュージシャンや役者のサイン色紙でぎっしり。今は亡き店長(初代社長)には大変お世話になりました。一体いつ寝ているの?というくらい働き者だった貴兄には、テレビマンも寝不足を愚痴ることができませんでした。店長自らラップでお勧めメニューを歌い上げてくださった「気分はセッション」のロケを僕は決して忘れません。そしてこの夏、奥様(現社長)が作られたJR名古屋駅の1番線店もナイスなアイデアだと感服しております。

最も嬉しい発見は、マンガ喫茶の元祖が名古屋にあったということ。「ザ・マガジン」(名東区)や「北山」(北区)が大量のマンガ本を店内に置いたのが始まりで、これを東京の喫茶店が真似たのだとか。面白いのは「北山」の店主がこれを始めた動機。「お客さんがいつも近所の噂話をしていたが、それを聞いているのが辛かったから(静かに本を読んでもらおうと)…」。なるほどねぇ。

まさに温故知新と言える今回の企画。ホームタウンの魅力を改めて確認できるので是非、またやってくださいね。

中島精隆