「太田×石井のデララバ(レギュラー版)」(CBCテレビ・バラエティ)

  • 番組名:太田×石井のデララバ(レギュラー版)4本分
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2023年10月~11月 水曜19時~20時

先日、レギュラー化2時間スペシャルとして「矢場とん」の回を書いた際、レギュラー枠で落ち着いたら、また書かせてもらうと約束した。1時間版4本を観終えたのでまとめて書いてみたい。(11月8日は「花咲かタイムズ」15周年特番で休止)

水曜19時に腰を据えて4回。「CoCo壱番屋」「世界の山ちゃん」「スガキヤ」そして今週は「あんかけスパゲッティのヨコイ」と続いた。2時間スペシャルの時は人物ドキュメンタリーに結構な時間を掛けられたので、それなりの仕上がりになったが、1時間ではどうか、と心配していた。

結果、今のところ心配は無用のようだ。フォーマットが定型化して安心して観ていられるし、後半のハイライト、店と人物のドキュメンタリーも登場人物に恵まれて、ここまで順調に推移している(視聴率は知らないが)。音楽・SEも統一され、テンポ感を演出する。シーンの転換も早く、(撮れ高がたくさんいるだろうな)スルスルと観ることが出来ている。有名な店でも意外に知らない事って多いと改めて知らされるし、登場するデララバさんでさえ知らない店の事情や秘密が明かされるので、あえて著名店を狙って企画した狙いが当たっている。デララバさんも著名店だからこそクセの強いファンが付いているので、人物選択も比較的楽なんじゃないだろうか。

大ヒット番組、中京テレビ「オモウマい店」の全て逆張りな感じだ。カメラは基本カメラマンが回す。飛び込みはやらない。進行はスタジオに置かずクロマキーの抜きで済まさず、メインの二人は必ず取り上げる店にいて、リアルタイムにその店の料理を食べる。ヒューマンドキュメントの部分でも、CoCo壱番屋の時のIT会社社長、世界の山ちゃんの時の好きすぎて就職しちゃった男性と手羽先の味の再現に挑戦する「山ちゃん大好き手羽先店店主」、山ちゃんの手羽先が好きすぎてタイに山ちゃんの店を複数開店させたタイ人男性。スガキヤの回のグルメライター(少しインパクト弱し)、ヨコイの回ではあんかけスパの名付け親の「からめ亭」主人が登場。それぞれクセ強めで(「オモウマい店」ほどではないが)それぞれに「店や業界の情報」が絡んでいるので面白く観られる仕組みだ。

更に各回2度か3度くらいは「へえ、知らなかったな」という著名店でしか企画にならない情報が出てくる。(どの店も長い歴史があるからね)またスガキヤの回のように、日本で最初にフードコートでの呼び出しベルを導入した、ヨコイの麺の2.2ミリにまつわる話ととかのトリビアも毎回よく調べてある。

司会もクセ強めの太田は時々わざとらしさが臭うが、それを引き目(抑えめ)の石井が上手く薄めて救っている。またナレーション担当の渡辺美香アナがのテイストがこの番組によく合っていて心地よいのも指摘しおこう。

制作体制は、局制、外部プロダクション、CBCクリエイションなどで回している感じだ。恐らく多くの時間を費やしているから複数の制作班体制でないと追いつかないからだろう。今のところ私は毎回面白く観させてもらっている。が、マンネリの波、フォーマットの陳腐化の波はあっという間に押し寄せるだろう。さしあたり次回は「ブロンコビリー」。仕上がりが楽しみだ。(KING)