テレビのゆくえ~シミュレーション#2~

先日最終回を迎えたTBSドラマ「Tシャツが乾くまで」はとても良かった。TBSの伊與田英徳プロデューサーの手記(9月17日中日新聞)によれば千葉行利プロデューサー(故久世光彦氏の愛弟子)が今回は縁の下で制作を支えたそうだ。ドラマの成功は脚本、監督、役者の力量に左右されるものだが、スタートラインでのプロデューサーの着眼点、企画力は非常に重要である。また、すべてのテレビ番組は出演者とスタッフの総合力で出来が決まる。番組からのメッセージを内外に発信するのはスタッフ側の大事な仕事だ。ちなみに故久世氏は「日々の生活の中にある本性」をホームドラマ(「時間ですよ」他)で描きたかったのだという。

これらのことは、ローカル番組の制作においても参考になる。多種の人が関わる仕事をひとつの方向に導き、視る人に届けたいものを明確にするのがプロデュースでありディレクションだ。さらに言えば、放送局という組織自体もひとつの企画なのだから一定の賞味期限が切れるたび、新リーダーが創造的なメッセージを発信する必要があると思う。ニーズについては普通の人々の普段の感覚をより深く探ることで見つけていくしかないだろう。

中島精隆