「ハートフル・ワールド」(2026年8月編・CBCテレビ)

  • 番組名:「ハートフル・ワールド」(2026年8月編)
  • 放送局:CBCテレビ
  • 放送日時:2026年8月3日・10日・17日 月曜日午後23時59分

「ハートフルワールド」#22、#23、#25である。相変わらず長い時間をかけて取材し、社会の片隅のハートフルを提供する。#22は「東京・新宿2丁目編」、#23は「タトゥースタジオ編」、#24が「四国・歩き遍路編」であった。

今更ながらだが、この番組は「社会の中で生き難いと感じている人たち」を自然体で「結果的に」温かい視線で見つめている。これまで25作品、全部観ているのだが、「世の中のほとんどの人々からは闇と捉えられる社会で、異端を是とする(是としなければならない)生き方をする人たち」の顔の裏側には今の社会での生きづらさへの反発と必死さがあるのだ。番組は自然体で構えずにこれを映像に収めていく。そこには「ハートフルを仕立てやろう」という嫌らしさを感じさせない構成がある。これが、かなりハードな影の社会に生きる人々を取材しても心地よいのだろう。今回の3作を観て改めてそれを感じたのだった。

取材対象をバイアスなしにあるがまま長時間寄り添って収録し、結果としてハートフルを感じる仕上がりだ。ひたすら自然体で対象者が発するものを時間をかけて切り取るという手法はNHK「ドキュメント72時間」に通じるものを感じる。今シーズン3本の中では個人的には歩き遍路に一番心が動きハートフルを感じた。取材対象を最終的に絞り込んでいく中で、多くをボツにしているだろう。「歩き遍路編」では、最後の22札所をディレクター自ら同行して一緒に回り「結願」に立ち会った男性にハイライトが当てられている。最愛の妻に苦労させたが妻はガンで亡くなり亡くなり、彼はその後4回に渡り四国88箇所1200kmを周り続けている。何がそのチカラを与えているのだろう。彼をして来し方生末を縷縷語らせしめるチカラは、ディレクターが対象者の心にどのくらい入り込んだかのバロメーターとなっている。筆者は彼のピュアな心にハートフルを感じたのだった。

すでに25本、快作が続く。1つの番組に仕立てるまで長い時間を要する取材者の苦労も尽きぬだろう。しかしその結果はきちんと番組に表れている。(KING)