- 番組名:「トガリビト 熱量に、ふれる」(第9回)
- 放送局:CBCテレビ
- 放送日時:2026年6月27日(土)午後5時~午後5時30分
今回の「トガリビト」は若い。これまで取り上げられてきた先進的な事業に取り組んでいる方々は比較的若いのだが、今回は特に若い。若い人の挑戦を見るのは気持ちが良い。ドローン操縦士を扱うと聞いて、既視感があったので出来はどうかと思って視聴したが、心配は杞憂に終わった。それどころか知っているつもりのドローンだったが、映像用は操縦士とカメラマンが別れているとは、不覚にも知らなかった。さらにストーリーとしての出来に感心もしたのだった。
現代の映像社会で、ドローンは切り離せない存在となった。テレビ番組「世界遺産」はドローンショウの様相を呈していて、ドローンがなければ番組が成り立たなくなっている。報道、テレビドラマ、映画やCM、企業PR、自治体広報、などにも必須な手段となっている。この社会で日本のドローンパイロットの最高峰の1人に数えられるのが今回登場した江南市出身の小澤涼祐さん、22歳だ。
彼はラジコンを趣味にしていた父の影響もあり、小学生の低学年から競技用ドローンの面白さに目覚め、中学で全国チャンピオンに。国内にもはや敵無しの状況だったという。調子に乗って生意気になっていた。そんな彼を諌めたのはドローン仲間の大人たちだった。「いい人たちに出会ってきた」と彼は回想する。成功する人の大事な要素だ。そして小澤さんは中学3年で大会スポンサーからの賞金を貰うため法人を設立する。起業である。そして空からの景色を眺めるという原点に帰り、映像用のドローンに挑戦する。このきっかけを彼にくれたのは大会スポンサーであった撮影用ドローン会社だった。競技用ドローンに行き詰まりを感じていた彼は、撮影の世界にトライしてみることにした。これも大事な出会いだ。
競技用と撮影用ではドローンの操縦技術はまるで違い、ここで彼は原点に戻り勉強を重ねる。そこに舞い込んできたのが桑田佳祐のMV制作というビッグプロジェクトだった。まだ中3だった。(何故こんな大きな話が来たのかは語られなかったのは残念!)その後も米津玄師のMVにも参加、映像ドローンの面白さ、影響の大きさに驚いたという。この世界はドローンのテクニカルな改良知識も必要だが、カメラマン的センスも要求される。その方面の才能もあったのだろう。更に高校時代には賞金1000万円が懸かった世界的なドローン映像コンテストに優勝。道は大きく開かれる。新しい分野の成功者として小学校の教科書にも載り、現在は東京のタワマンに事務所を構えて邦画の世界からお呼びがかかるように。
彼は今ハリウッド映画の世界で活躍したいという。彼なら出来ると感じた。これから登載されるAIも使いこなしていくのだろう。近い将来シネコンで観る映画のエンドクレジットにドローン映像担当としてRyosuke Ozawaの名前見つけることだろう。芯が強く、進取の気性に溢れ、好奇心旺盛な性格、自分が打ち込むことに理解を示してくれた両親の存在、いい人たち、いい縁との出会い、トガリビトの世界には必ず共通してこれらの要素がある。若い小澤さんの半生だが、多くの示唆に富んだ30分だった。物語として面白かった。映像の仕立てはこの番組のデフォルトとなり、こうした内容の洗練さが勝負となってくるのだろう。
この番組の翌日にメ~テレ「チョコレートサムねっと」の緑区の回を観た。するとそこに19歳で食塩の会社を経営する若者が登場していた。彼も15歳で天然塩の会社を立ち上げている。幼い頃6年間のイギリス留学を経験しているのに何故、と思うだろう。海のない緑区でどうやって?と思うだろう。そこが若き経営者の凄さだ。高校も大学も行かず今や天然塩の世界では有名人になったいるという。
今回二つの番組で大学に行かない若い経営者の清々しく、チカラ強い活躍にとても嬉しくなった。親の言いなりで目的も分からず大学へ行くという若者も多いのではないか。そうしたこんにちの社会で彼らの活躍は刮目に値すると感じたのだった。(KING)