第52回放送文化基金賞にこのエリアから

 

放送文化基金賞は、過去1年間(2025年4月~2026年3月)の放送・配信された中から選ばれた、優れた番組・コンテンツや個人、グループに贈られる賞です。今回は、全国の民放、NHK、動画配信会社などから、全部で317件の応募があった中からドキュメンタリー、ドラマ、エンターテインメント、ラジオの4つの部門で、それぞれ最優秀賞、優秀賞、奨励賞を選出します。

名古屋地区の放送局では、ドキュメンタリー部門で奨励賞を名古屋テレビ「メ~テレドキュメント 風はどこから~進む軍産回帰~」が受賞。

エンターテイメント部門ではCBCテレビの「ハートフルワールド 京都紙屋川砂防ダム編」が最優秀賞を受賞。

またこの番組のプロデューサーである下野賢志さんが個別表彰として取材・制作賞を受賞されました。

2番組ならびに下野さん、まことにおめでとうございます。

とりわけ「ハートフルワールド」は最優秀賞であり、プロデューサーの下野さんは表彰理由として「住民たちと信頼関係を築きながら、タブーとされた街の歴史と人生を掘り起こしていく取材者としての胆力が抜き出ている。重たいテーマをエンターテインメントの枠組みで発信するプロデューサーとしての手腕も光る」と激賞され、個人で取材・制作賞を受賞されました。

「ハートフルワールド」は「テレビの旋風」でも評価の高い番組で何度も取り上げてきました。ぜひ過去の投稿をご覧ください。「京都 紙屋川編」もKINGさんが投稿しています。

さて、もう一つのドキュメンタリー部門の名古屋テレビについてです。

今回受賞の「メ~テレドキュメント 風はどこから~進む軍産回帰~」のほかにも2026年日本民間放送連盟賞 中部・北陸地区教養部門1位に「メ~テレドキュメント 更生か贖罪か~戸惑う刑務官 改革の現在地~」。また第63回(2025年)ギャラクシー賞報道活動部門 奨励賞を「名古屋入管をめぐる一連の報道」として表彰されています。ちなみに同じ第63回ギャラクシー賞テレビ部門でCBC「ハートフルワールド~京都・紙屋川砂防ダム編~」もしっかり受賞されています。

「風はどこから~進む軍産回帰~」は2025年の8月に放送された「軍都80年~モノづくりと防衛産業~」での取材をさらに進めた内容。この「軍都80年」もテレ朝のドキュメンタリー枠「テレメンタリー」の2025年度最優秀番組。ともかく受賞ラッシュです。近年のメ~テレのドキュメンタリーの充実ぶりは目立ち、いずれも骨太で報道の王道をいくテーマを追求しています。先日放送された「ラリーのごとく~日中”ピンポン外交”記~」も1972年に国交正常化した日中関係がぎくしゃくしている現況を描いている。一貫した歴史認識がある作りを次回は評論してみたい。

柴垣邦夫